第116条【解釈】、第117条【連合共和国控訴裁判所及びその管轄権】、第118条【控訴裁判所裁判官及びその任命】
第5章【連合共和国の司法権、連合共和国高等裁判所、タンザニア本土司法公務委員会、ザンジバル高等裁判所、連合共和国控訴裁判所及び連合共和国特別憲法裁判所】
第5部【連合共和国控訴裁判所】
第116条 第2項の規定に従い、首席裁判官は、1984年ザンジバル憲法又はタンザニア・ザンジバルの法律に従って設置された裁判所の、日常業務の構造及び管理に関するいかなる事項についても権限を有しない。
2 首席裁判官は、控訴裁判所の業務全般の管理及び控訴裁判所裁判官の任命に関して、ザンジバル首席裁判官と随時協議するものとする。
第117条 連合共和国控訴裁判所(「控訴裁判所」と略記する)を設置する。控訴裁判所は、この憲法又はその他の法律の定めるところにより、控訴裁判所の管轄権を有する。
2 控訴裁判所は、連合共和国政府とザンジバル革命政府との間の紛争に関する、この憲法の第126条の規定に従って処理されるべき事項の仲裁については、いかなる管轄権も有しない。
3 控訴裁判所の職務は、高等裁判所又は拡張管轄権を有する治安判事の判決又はその他の決定からの全ての上訴を、審理及び決定することである。
4 この憲法の規定に従って議会又はザンジバル代議院によって制定される法律は、控訴裁判所への上訴の手続き、上訴の提起の時期及び理由並びに上訴の処理方法について規定することができる。
第118条 控訴裁判所には、控訴裁判所首席裁判官(この憲法の以降の条文では「首席裁判官」と略記する)及び4人以上の控訴裁判所裁判官を置く。ただし、控訴裁判所の全ての裁判は、5人以上の控訴裁判所裁判官によって構成されるものとする。
2 首席裁判官は、控訴裁判所裁判官に任命される資格を有する者の中から大統領が任命し、この憲法の第116条に規定する控訴裁判所及び司法府の長である。以下の場合を除いて、控訴裁判所裁判官の定年に達するまで在任するものとする。
(a)辞任
(b)病気又は死亡を理由とする欠員。
(c)大統領による解任。
3 その他の控訴裁判所裁判官は、この憲法の第109条に規定される連合共和国高等裁判所裁判官に任命される資格を有する者の中から、又はザンジバルで適用される法律に従ってザンジバル高等裁判所裁判官に任命される資格を有し、15年以上の期間その資格を保有している者の中から、首席裁判官と協議の上で、大統領が任命する。
4 以下の場合にはいつでも、これら3つの事由のいずれかが発生している間、大統領が首席裁判官代理を任命することが適当と思料するときは、控訴裁判所裁判官の中から首席裁判官代理を任命することができる。
(a)首席裁判官が欠員の場合。
(b)首席裁判官がタンザニアを不在にする場合。
(c)首席裁判官が何らかの理由により、その任務を執行することができない場合。
5 他の首席裁判官が任命されるまで、又はタンザニアを不在にしていた、若しくは任務を執行することができなかった首席裁判官が職務を再開するまで、代理の控訴裁判所裁判官は首席裁判官の任務を遂行するものとする。
6 控訴裁判所裁判官の職に欠員が生じた場合、控訴裁判所裁判官が首席裁判官代理に任命された場合、何らかの理由によってその職務を遂行することができなくなった場合、又は首席裁判官が、控訴裁判所におけるその時の業務の状況から控訴裁判所臨時裁判官の任命が必要であると大統領に助言した場合、大統領は、首席裁判官と協議した上で、本条第4項の規定に従い、控訴裁判所裁判官の任命資格を有する者の中から控訴裁判所臨時裁判官を任命することができる。
7 控訴裁判所臨時裁判官に任命された者は、その任命において指定された期間、その任命が大統領によって取り消されるまで、引き続き控訴裁判所臨時裁判官の職務を遂行するものとする。ただし、その任期が満了し、又はその任命が取り消された場合であっても、その者は、判決の準備及び言い渡し、又はその任期が満了する前若しくはその任命が取り消される前に開始した上訴若しくはその他の訴訟に関するその他の事項を行うのに必要な期間、控訴裁判所臨時裁判官としての職務を継続することができる。
8 この憲法の第119条第1項の規定の解釈についての疑義を避けるために、控訴裁判所臨時裁判官に任命された者は、控訴裁判所裁判官の全ての権限を有し、その全ての任務を執行するものとし、並びにこの憲法の第122条に規定する控訴裁判所裁判官の定数は、いずれかの裁判における控訴裁判所裁判官の1人又は複数が、控訴裁判所臨時裁判官であることのみを理由として無効とならないことを、ここに宣言する。
9 控訴裁判所の裁判官の職は、その職に就いている者がある間は、廃止することができない。