第9条【住居等のプライバシーの保護】、第10条【法律の保護を保障するための規定】、第11条【良心の自由の保護】
第2章【個人の基本的権利及び自由の保護】
第9条 本人の同意がある場合を除いて、何人も、その身体若しくは財産に対する捜索又は他人による敷地内へ立入りを受けることはない。
2 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、その法律が以下の規定を設ける範囲において、本条に抵触するものとはみなされない。ただし、その規定又はその権限に基づく行為が、民主主義社会において合理的に正当化できないことが示された場合を除く。
(a)国防、公共の安全、公の秩序、公衆道徳、公衆衛生、都市計画、国土計画、鉱物資源の開発及び利用、人口調査、又はコミュニティにとって有益な目的のための財産の開発若しくは利用を保障するために、合理的に要求される規定。
(b)他者の権利又は自由を保護するために合理的に要求される規定。
(c)ボツワナ政府、 地方政府又は公共の目的のために法律で設立された法人の職員又は代理人が、税金、料金若しくは関税のために、又は適法に敷地内にあり、政府、地方政府若しくは法人に帰属する財産に関連する作業を実施するために、敷地内又はその敷地内の物を検査するために個人の敷地内に立ち入ることを認める規定。
(d)民事訴訟における裁判所の判決又は命令を執行するために、裁判所の命令による身体若しくは財産の捜索又は敷地内への立入りを認める規定。
第10条 刑事犯罪で起訴された者は、その起訴が取り消されない限り、法律により設置又は認定された独立かつ公平な裁判所により、相当の期間内に公正な審理を受けるものとする。
2 刑事犯罪で起訴された者については、以下の通りとする。本人の同意がある場合を除いて、裁判は本人の欠席中に行ってはならない。ただし、本人が、その出席の下で審理を継続することが不可能となるような行為をし、裁判所が本人を退廷させ、本人の欠席の下で審理を続行するよう命じた場合は、この限りでない。
(a)有罪が証明されるか、又は有罪を認めるまで、無罪と推定される。
(b)起訴された犯罪の性質について、合理的に可能な限り速やかに、その者が理解できる言語で、詳細に通知されなければならない。
(c)自己の弁護の準備のために十分な時間及び便宜を与えられなければならない。
(d)法廷において、自ら、又は自己の費用負担で選任する訴訟代理人によって、自己を弁護することを許可されるものとする。
(e)検察官により召喚された証人に適用される条件と同等の条件により、検察官によって法廷に召喚された証人を自ら、又はその訴訟代理人によって尋問し、及び法廷において自己のために証言する証人の出頭を求め、尋問を行う便宜を与えられるものとする。
(f)裁判において使用される言語を理解できない場合、通訳の援助を無償で受けることが許されるものとする。
3 刑事犯罪のために裁判を受ける場合、被告人又は被告人が委任した者は、その者が要求し、かつ、法律に定める相当の手数料を支払うことを条件に、判決後相当の期間内に、被告人の使用に供するために、裁判所によって作成された訴訟記録の写しを交付されるものとする。
4 いかなる者も、それが行われた時点において犯罪を構成するものでなかった行為又は不作為を理由として、刑事犯罪について有罪とされることはない。いかなる刑事犯罪に対しても、その犯罪が行われた時点においてその犯罪に科される可能性のあった最高刑よりも、程度又は内容において重い刑罰が科されることはない。
5 刑事犯罪について管轄裁判所による裁判を受け、有罪又は無罪判決を受けたことを証する者は、その犯罪、又はその裁判において有罪判決を受ける可能性のあった別の犯罪について、再び裁判を受けることはないものとする。ただし、有罪又は無罪判決に関する上訴又は再審手続における、上級裁判所の命令による場合を除く。
6 何人も、刑事犯罪について恩赦を受けたことを証する場合、その犯罪について裁判を受けることはないものとする。
7 刑事犯罪について裁判を受ける者は、裁判において証拠を提出することを強制されないものとする。
8 何人も、成文法に犯罪が定義され、それに対する刑罰が規定されていない限り、刑事犯罪について有罪判決を受けることはないものとする。ただし、本項のいかなる規定も、記録裁判所が、成文法に侮辱を構成する行為又は不作為が定義されておらず、それに対する刑罰が規定されていなくても、その裁判所に対する侮辱を処罰することを妨げるものではない。
9 裁判所又は民事上の権利若しくは義務の存在若しくは範囲を決定するために法律で規定されるその他の裁定機関は、法律によって設置又は認定され、独立かつ公平であるものとする。その決定のための訴訟が、裁判所又はその他の裁定機関において提起された場合、その事件は相当の期間内に公正な審理を受けるものとする。
10 全ての当事者の合意がある場合を除いて、全ての裁判所の訴訟、及び民事上の権利又は義務の存在又は範囲を決定するためのその他の裁定機関における訴訟は、裁判所又はその他の機関の決定の公表を含め、公開で行われるものとする。
11 第10項のいかなる規定も、裁判所又はその他の裁定機関が、当事者及びその訴訟代理人以外の者を、以下の範囲において、訴訟から排除することを妨げるものではない。
(a)裁判所又はその他の機関が、公表が司法の利益を害するような状況、又は中間の手続きにおいて、必要又は有用であると認める範囲において。
(b)裁判所又はその他の機関が、国防、公共の安全、公の秩序、公衆道徳、18歳未満の者の福祉、又は訴訟に関係する者の私生活の保護のために、法律によりその権限を付与されている範囲において。
12 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、以下の条項に抵触するものとはみなされない。
(a)本条第2項(a)。刑事犯罪で起訴された者に特定の事実を証明する責任を課す範囲において。
(b)本条第2項(d)又は(e)。その法律が、慣習法に基づく犯罪に関する訴訟(その法律に基づき、その法律の適用を受ける者に対する訴訟)において、下級裁判所における訴訟代理を禁止する範囲において。
(c)本条第2項(c)。その法律が、被告人のために証言するために召喚された証人に、公金から費用を支払う場合に満たさなければならない合理的な条件を課している範囲において。
(d)本条第5項。その法律が、規律ある部隊の隊員を、その部隊の懲戒法に基づくその隊員の裁判及び有罪又は無罪判決にかかわりなく、刑事犯罪について裁判する権限を裁判所に付与する範囲において。ただし、その裁判を行い、有罪判決を下す裁判所は、その隊員に対して刑罰を宣告する場合には、その懲戒法に基づきその隊員に科された刑罰を考慮するものとする。
(e)本条第8項。その法律が、その法律によりその者に適用される慣習法に基づく刑事犯罪について、裁判所に有罪判決を下す権限を付与する範囲において。
13 適法に拘束されている者について、本条第1項、第2項(d)及び(e)並びに第3項の規定は、拘束されている者の懲戒を規定する法律に基づく刑事犯罪についてのその者の裁判に関して、適用しないものとする。
14 本条において「刑事犯罪」とは、ボツワナで施行されている法律に基づく刑事犯罪を意味する。
第11条 本人の同意がある場合を除いて、何人も、良心の自由の享受を妨げられてはならない。本条において、その自由には、思想及び宗教の自由、自己の宗教又は信仰を変更する自由、並びに単独で、又は他者と共同して、公的にも私的にも、礼拝、教化、実践及び遵守において、自己の宗教又は信仰を表明及び布教する自由が含まれる。
2 全ての宗教共同体は、自己の費用で、教育の場を設置及び維持し、並びにその共同体が全てを維持する教育の場を管理する権利を有する。いかなる宗教共同体も、その共同体が完全に維持する教育の場において提供される教育過程において、又はその共同体がその他の方法で提供する教育過程において、その共同体に属する者のために宗教上の指導を行うことを妨げられないものとする。
3 本人の同意(未成年の場合は保護者の同意)がある場合を除いて、教育の場に出席する者は、宗教上の指導を受け、又は宗教上の儀式若しくは行事に参加若しくは出席することを要求されてはならない。
4 何人も、自己の宗教若しくは信仰に反する宣誓を行い、又は自己の宗教若しくは信仰に反する方法で宣誓を行うことを強制されてはならない。
5 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、その法律が以下の事項のために合理的に要求される規定を設ける範囲において、本条に抵触するものとはみなされない。
(a)国防、公共の安全、公の秩序、公衆道徳又は公衆衛生の利益。
(b)他の宗教の信者の勝手な干渉を受けることなく、任意の宗教を遵守及び実践する権利を含む、他者の権利及び自由を保護するため。