第65A条【独立選挙管理委員会の任命】、第66条【独立選挙管理委員会秘書官の任命】、第67条【選挙権】
第5章【国会】
第1節【構成】
第65A条 独立選挙管理委員会を設置する。独立選挙管理委員会は、以下の者によって構成されるものとする。
(a)司法公務委員会により任命される、高等法院裁判官である委員長。
(b)司法公務委員会により任命される法律実務家。
(c)全政党会議が推薦した者の名簿から司法公務委員会が任命する、適任、適正かつ公平な5人のその他の委員。
2 全政党会議が、国会の解散までに、本条第1項(c)に規定する者の全部又は一部について合意することができなかった場合、司法公務委員会は、欠員を補うために必要な者を任命するものとする。
3 本条において「全政党会議」とは、大臣が随時招集する、全ての登録政党の会議を意味する。
4 委員長及び委員の最初の任命は、遅くとも1999年1月31日までに行い、その後の任命は、国会の連続する2期毎に、その最後の解散時に行うものとする。
5 委員会の委員長及び委員の任期は、国会の連続する2期の期間とする。
6 以下に該当する者は、独立選挙管理委員会の委員に任命される資格を有しないものとする。
(a)イギリス連邦のいずれかの国で施行されている法律に基づき、破産宣告を受け、免責を受けてない者、又は債権者と和解をし、債務を完済していない者。
(b)いずれかの国において、不誠実な行為を伴う犯罪の有罪判決を受けたことがある者。
7 委員は、忠誠の誓い及び国会法の定める職務の適正な執行のための宣誓を行い、これに署名するまで、その任務に就いてはならない。
8 委員会は、その手続き及び議事を規定するものとする。
9 委員長が全ての議事を主宰し、委員長が欠席の場合は、第1項(b)に規定する法律実務家が議事を主宰するものとする。
10 定足数は4人とし、そのうちの1人は委員長又はその法律実務家とする。
11 全ての議案は、出席及び投票する委員の過半数の決定によって議決するものとする。
12 委員会は、以下の事項に責任を負うものとする。
(a)国民議会の選出議員及び地方政府の議員の選挙の実施及び監督、並びに国民投票の実施。
(b)第66条に基づき任命された委員会秘書官に対し、国会法の定める選挙法に基づく職務の執行に関して、指示及び命令を行うこと。
(c)選挙が効率的、適正、自由かつ公正に実施されることを保障すること。
(d)国会法の定めるその他の職務を遂行すること。
第66条 第65A条に規定する独立選挙管理委員会秘書官(本条において「秘書官」と称する)を置く。
2 秘書官は大統領が任命するものとする。
3 秘書官の職務は、独立選挙管理委員会の指示及び監督に従い、以下の選挙のための有権者登録、及びその選挙の実施に関する全般的な監督を行うことである。
(a)国民議会の選出議員。
(b)地方政府の議員。
4 以下に該当する者は、独立選挙管理委員会秘書官に任命される資格を有しないものとする。
(a)ボツワナ市民でない者。
(b)イギリス連邦のいずれかの国で施行されている法律に基づき、破産宣告を受け、免責を受けてない者、又は債権者と和解をし、債務を完済していない者。
(c)いずれかの国において、不誠実な行為を伴う犯罪の有罪判決を受けたことがある者。
5 秘書官は、忠誠の誓い及び国会法の定める職務の適正な執行のための宣誓を行い、これに署名するまで、その任務に就いてはならない。
6 本条第3項に基づく職務の執行のために、秘書官は、有権者登録又は選挙の実施を規制する法律に基づく、登録官、主宰官又は選挙管理官による職務の執行に関し、必要又は有用であると認める指示を行うことができる。本条に基づき指示を受けた者は、その指示に従わなければならない。
7 本条の規定に従い、秘書官は、65歳又は国会法の定めるその他の年齢に達したときに、退任するものとする。
8 秘書官は、その職務を遂行できない場合(身体又は精神の衰弱に起因するものであるか、その他の原因によるものであるかを問わない)、又は不品行を行った場合に限り解任することができる。秘書官は、本条の規定に従う場合を除いて、解任されないものとする。
9 大統領が、秘書官の解任の事案について調査する必要があると認める場合、以下の通りとする。
(a)大統領は、裁判長及び2人以上の裁判官によって構成される裁判を任命するものとする。裁判官は、司法上の高等職務に就く者、又はその職務に就いていた者であるものとする。
(b)裁判は、その事実を調査し、これを大統領に報告し、職務を遂行できないこと又は不品行を理由に、本条に基づき秘書官を解任するべきか否かを大統領に助言するものとする。
10 第9項に基づき任命された裁判が、職務を遂行できないこと又は不品行を理由に、秘書官を解任するべきであると大統領に助言した場合、大統領は秘書官を解任しなければならない。
11 秘書官の解任の事案が本条第9項に基づく裁判に付託された場合、大統領は、秘書官の職務の遂行を停止することができる。大統領は、その停職処分をいつでも取り消すことができる。裁判が秘書官を解任するべきではないと大統領に助言した場合、その停職処分は効力を失うものとする。
第67条 以下に該当するものは、法律により有権者として登録される資格を失わない限り、法律の定める時期及び方法により申請し、国民議会の選出議員の選挙のために有権者として登録される権利を有するものとする。それ以外の者は登録することができない。
(a)ボツワナ市民、又は国会が本条を適用するその他の国の市民である者。
(b)18歳に達していること。
(c)有権者登録を申請する日の直前12か月以上、継続してボツワナに居住していること、又はボツワナで生まれ、有権者登録を申請する日にボツワナに居住していること。
2 本条第1項(c)に規定する期間、継続してボツワナに居住していなかったものの、その期間中、ボツワナに住所(複数の住所がある場合は主たる住所)を有し、一時的な目的のためにのみボツワナを不在にしていた者は、同項(c)を適用する上で、その不在期間中、ボツワナに居住していたものとみなされる。
3 以下の選挙区において、有権者として登録される権利を有するものとする。
(a)本人が居住する選挙区において。ボツワナ国内に2つ以上の住所を有する場合は、主たる住所のある選挙区において。
(b)ボツワナに住所がないものの、本人が登録できる場合は、最後の住所地又は出生地の選挙区において。
(c)ボツワナに居住しておらず、本人が登録できない場合は、国会の定める場所において。その場所における登録は、ボツワナにおける最後の住所地又は出生地の選挙区における登録として処理されるものとする。
4 1つの選挙区においてのみ、有権者として登録される権利を有するものとする。
5 選挙区において国民議会の選出議員の選挙のために、有権者として登録された全ての者は、その選挙区において、法律に基づき設けられた規定に従って投票する権利を有するものとする。ただし、選挙に関する犯罪の有罪判決を受けたこと、選挙請願を審理する裁判所によりそのような犯罪の有罪を報告されたこと、又は選挙の期日に適法に拘束されていることを理由として、国会によりその選挙において投票する資格を失った場合はこの限りでない。それ以外の者は投票することができない。