第99条【管轄及び構成】、第100条【控訴院裁判官の任命】、第101条【控訴院裁判官の任期】
第6章【司法府】
第2節【控訴院】
第99条 ボツワナに控訴院を設置する。控訴院は、この憲法又はその他の法律によって付与される管轄権及び権限を有するものとする。
2 控訴院裁判官は以下の通りとする。
(a)控訴院長
(b)国会の定める人数の控訴院裁判官。
(c)首席裁判官及び高等法院のその他の裁判官。ただし、国会は、控訴院長の職を職権により首席裁判官が兼務することを規定することができる。
3 控訴院裁判官の職は、その実質的な在職者がいる間は、廃止されないものとする。
4 控訴院は、上級の記録裁判所であり、国会が特別の定めをする場合を除いて、上級裁判所の全ての権限を有するものとする。
第100条 控訴院長は、首席裁判官が職権により兼務する場合を除いて、大統領が任命するものとする。
2 控訴院裁判官は、司法公務委員会の助言に従って大統領が任命するものとする。
3 以下に該当しない者は、控訴院裁判官に任命される資格を有しないものとする。
(a)ボツワナ、イギリス連邦加盟国、若しくは国会の定めるイギリス連邦加盟国以外の国において、民事及び刑事に関して無制限の管轄権を有する裁判所、又はその裁判所からの上訴に関して管轄権を有する裁判所の裁判官であるか、又はその職にあった者。
(b)その裁判所において弁護士として執務する資格を有し、その資格を10年以上保有している者。
(c)弁護士として執務する資格を有し、認定された大学で10年以上法学を教授した経験を有する者。
4 本条第3項において、弁護士として執務する資格を有する期間を計算する際に、その資格を取得した後に司法上の職務に就いていた期間も含まれるものとする。
5 控訴院長の職が欠員となった場合、又は控訴院長が何らかの理由でその職務を遂行できない場合、その職務に任命された者が就任するまで、又は控訴院長がその職務を再開するまで、その職務は、大統領がそのために任命する控訴院裁判官、又はその他の控訴院裁判官として任命される資格を有する者が遂行するものとする。ただし、
(i)本項に基づき任命される者は、70歳又はこの憲法の第101条の目的のために規定されるその他の年齢に達していても、任命することができる。
(ii)本項に基づき任命された者であって控訴院裁判官でない者は、控訴院長の職務が引継ぎ又は再開された場合であっても、控訴院裁判官として、それ以前にその裁判官に対して開始された訴訟に関して判決を言い渡し、又はその他の行為をすることができるよう必要な期間及び範囲において、引き続き職務を行うことができる。
6 控訴院裁判官の職が欠員となった場合、その裁判官が首席裁判官若しくは控訴院長に任命された場合、又は何らかの理由で職務を遂行できない場合、大統領は、司法公務委員会の助言に従って、控訴院裁判官として任命される資格を有する者をその裁判官として任命することができる。ただし、その者は、70歳又はこの憲法の第101条の目的のために規定されるその他の年齢に達していても、任命することができる。
7 本条第6項に基づき控訴院裁判官として任命された者は、この憲法の第101条第4項及び第5項の規定に従い、任命された期間、又はその期間が指定されていない場合には、司法公務委員会の助言に従って大統領により任命が取り消されるまで、引き続きその職務を行うものとする。ただし、大統領は、司法公務委員会の助言に従い、控訴院裁判官としての任命が満了し、又は取り消された者に対し、それ以前にその者に対して開始された訴訟に関して判決を言い渡し、又はその他の行為をすることができるよう必要な期間、引き続きその裁判官として職務を行うことを許可することができる。
第101条 本条の規定に従い、控訴院裁判官は、70歳又は国会の定めるその他の年齢に達したときに、退任するものとする。ただし、
(i)大統領は、司法公務委員会の助言に従って、その年齢に達した裁判官が、その年齢に達する前にその裁判官に対して開始された訴訟に関して判決を言い渡し、又はその他の行為をすることができるよう必要な期間、引き続き在職することを許可することができる。
(ii)その者が、本項に規定する年齢に達している場合又は任命期間満了前にその年齢に達する場合であっても、3年の期間を定めて控訴院長又は控訴院裁判官に任命することができる。
(iii)上記(ii)に基づく期間を定めた控訴院長又は控訴院裁判官の任命は、その者が退職するべき日付に影響を与えないものとする。
2 控訴院裁判官は、その職務を遂行できない場合(身体又は精神の衰弱に起因するものであるか、その他の原因によるものであるかを問わない)、又は不品行を行った場合に限り解任することができる。控訴院裁判官は、本条の規定に従う場合を除いて、解任されないものとする。
3 大統領が、本条に基づく控訴院裁判官の解任の事案について調査する必要があると認める場合、以下の通りとする。
(a)大統領は、裁判長及び2人以上のその他の裁判官によって構成される裁判を任命するものとする。裁判官は、司法上の高等職務に就く者、又はその職務に就いていた者であるものとする。
(b)裁判は、その事案を調査し、その事実について大統領に報告し、職務を遂行できないこと又は不品行を理由に、本条に基づき裁判官を解任するべきか否かを大統領に助言するものとする。
4 第3項に基づき任命された裁判が、職務を遂行できないこと又は不品行を理由に、控訴院裁判官を解任するべきであると大統領に助言した場合、大統領は裁判官を解任しなければならない。
5 控訴院裁判官の解任の事案が本条第3項に基づく裁判に付託された場合、大統領は、裁判官の職務の遂行を停止することができる。大統領は、その停職処分をいつでも取り消すことができる。裁判が裁判官を解任するべきではないと大統領に助言した場合、その停職処分は効力を失うものとする。