第6条【奴隷及び強制労働からの保護】、第7条【非人間的処遇からの保護】、第8条【財産の没収からの保護】
第2章【個人の基本的権利及び自由の保護】
第6条 何人も、奴隷又は隷属の状態に置かれてはならない。
2 何人も、強制労働をさせられてはならない。
3 本条における「強制労働」という表現は、以下の事項を含まない。
(a)裁判所の判決又は命令の結果として要求される労働。
(b)適法に拘束されている者に要求される労働で、裁判所の判決又は命令の結果として要求されるものではないものの、衛生上の利益のために、又は拘束されている場所の維持のために合理的に必要なもの。
(c)規律ある部隊の隊員が職務の遂行において要求される労働、又は海軍、陸軍若しくは空軍の隊員として服務することに良心的拒否を表明する者の場合には、 法律によってその服務の代わりに要求される労働。
(d)緊急事態の期間中、又はコミュニティの生命及び福祉を脅かすその他の非常事態又は災難の発生時に、その期間中、又はその他の非常事態若しくは災難の結果として、発生又は存在する状況に対処するために合理的に正当化できる範囲において、要求される労働。
(e)合理的かつ通常の共同的義務又はその他の市民的義務の一部として、合理的に要求される労働。
第7条 何人も、拷問又は非人道的若しくは品位を損なう刑罰若しくはその他の処遇を受けてはならない。
2 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、その法律が、この憲法が施行される直前において国内で適法であった刑罰を科すことを認める範囲において、本条に抵触するものとはみなされない。
第8条 いかなる種類の財産及びそれに対する利益又は権利も、以下の条件を満たす場合を除いて、強制的に占有及び取得されることはない。
(a)以下の事項のために、その占有又は取得が必要又は有用である場合。
(i)国防、公共の安全、公の秩序、公衆道徳、公衆衛生、都市計画又は土地の開拓。
(ii)コミュニティにとって有益な目的のために、その財産又は他の財産の開発又は利用を保障するため。
(iii)ボツワナの鉱物資源の開発又は利用を保障するため。
(b)その占有又は取得に適用される法律により、以下の事項に関する規定が設けられている場合。
(i)適切な補償金が速やかに支払われること。
(ii)財産に対する利益又は権利を有する者に対し、その利益若しくは権利、又は財産、利益若しくは権利の占有若しくは取得の適法性、及びその者が権利を有する補償金の額を決定するために、並びにその補償金の迅速な支払いを得るために、直接又は他の機関からの上訴に基づき、高等法院を利用する権利を保障すること。
2 本条に基づき補償を受ける権利を有する者は、補償金を受領した後、合理的な期間内に、その全額を(その送金に関して課される控除、手数料又は税金を免除された上で)ボツワナ国外の任意の国に送金することを妨げられないものとする。
3 本条第1項(b)(i)は、鉱物の所有権又は鉱物に対する権利の取得に適用される法律が、適切な使用料を合理的な間隔で支払うことを規定している場合には、その法律との関係において満たされるものとみなす。
4 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、その法律が以下の事項を許可する範囲において、本条第2項に抵触するものとはみなされない。
(a)裁判所の命令により、裁判所の判決を執行するために、又はその者が当事者である民事訴訟が決定されるまでの間、その者が権利を有する補償金を差し押さえること。
(b)補償金の送金方法に合理的な制限を課すこと。
5 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、以下の範囲において、本条第1項に抵触するものとはみなされない。
(a)その法律が財産の占有又は取得に関して、以下の規定を設けている範囲において。ただし、その規定又はその権限に基づく行為が、民主主義社会において合理的に正当化できないことが示された場合を除く。
(i)税金、料金又は関税の執行。
(ii)民事訴訟による、又はボツワナで施行されている法律に基づく刑事犯罪の有罪判決による、法律違反に対する罰則。
(iii)リース、賃貸借、抵当権、請求権、売買証書、質権又は契約に付随するもの。
(iv)民事上の権利又は義務の決定に関する訴訟において、裁判所の判決又は命令を執行する場合。
(v)財産が危険な状態にあるため、又は人間、動物若しくは植物の健康を害するため、そうすることが合理的に必要な状況にある場合。
(vi)行為の制限に関する法律の結果。
(vii)調査、裁判若しくは捜査、又は土地の場合、土壌の保全、その他の天然資源の保全、若しくは農業の開発若しくは改良に関する作業(その開発若しくは改良に関する作業で、その土地の所有者若しくは占有者がその遂行を要求され、合理的な理由なく拒否し、若しくは履行しなかったもの)を遂行するため。
(b)その法律が、以下の財産の占有又は取得に関して規定する範囲において。
(i)敵国の財産。
(ii)死亡した者、精神障害者、21歳に達していない者、浪費者又は国外にいる者の財産を、その受益権を有する者の利益のために管理することを目的とする場合。
(iii)破産宣告を受けた者又は清算中の法人の財産を、破産者又は法人の債権者の利益のために管理し、それに従い、その財産の受益権を有するその他の者の利益のために管理することを目的とする場合。
(iv)信託の対象となる財産を、信託を有効にするために、信託を設定した証書に基づき、又は裁判所により、若しくは裁判所の命令により、受託者として任命された者に帰属させることを目的とする場合。
6 いかなる法律の規定又はそれに基づく行為も、財産又はそれに対する利益若しくは権利が、公共の目的のために法律により設立された法人によって保有され、国会が提供する以外の資金が投資されていない場合に、公共の利益のために財産又はそれに対する利益若しくは権利を強制的に占有又は取得することを規定する範囲において、本条第1項に抵触するものとはみなされない。