別表5【地域政府】
別表
別表5【地域政府】
第1条【地域政府の名称】
地域政府は、独自の名称を採用することができる。
第2条【地域議会の構成】
1 地域議会の構成は議会法によって定められ、以下の者によって構成されるものとする。
(a)選挙管理委員会が実施する成年普通選挙に基づき選出された直接選挙による代表。
(b)女性の代表。議員の3分の1以上でなければならない。
(c)青年及び障害者の代表。
(d)伝統的又は文化的指導者がいる地域の先住民族の文化的利益の代表。伝統的又は文化的指導者が指名し、地域議会議員の15%以下とする。
(e)投票権を有しない職権上の議員である地域の県知事。
2 地域議会には、その議員の中から地域議会が選出する議長を置くものとする。ただし、その者が選出されるには、地域議会の総議員の50%を超える賛成票が投じられなければならない。
3 地域議会の議長は、地域議会との関係において、議会議長と同様の職務を遂行するものとする。
4 地域議会の議員の任期は、県議会の議員と同じとする。
第3条【地域議会の委員会】
1 地域議会は、その職務を効率的に執行するために、常任委員会及びその他の委員会又は機関を設置することができる。
2 文化問題常任委員会は、文化的利益の代表によって構成されるものとする。
3 文化問題常任委員会は、その他の地域議会の議員に対して、地域の文化に関する事項について専属的管轄権を有するものとする。
4 本条において「文化に関する事項」とは、以下の事項を含む。
(a)伝統的指導者又は文化的指導者の選出及び任命。
(b)伝統的又は文化的指導者、伝統的又は文化的指導者の制度、及び伝統的指導者の王族に関するあらゆる伝統的及び文化的事項。
(c)Clan及びSub-Clanの指導者の選出、任命及び継承。
(d)Clan、伝統及び慣習に関する事項。
(e)文化的葬儀、文化的継承及び慣習的相続人に関する事項。
(f)文化的又は伝統的な土地、遺跡、神殿及び施設。
(g)Clanの土地、遺跡、神殿及び施設。
(h)この憲法に適合する、伝統的、慣習的及び文化的慣行。
5 文化問題常任委員会は、第3項及び第4項に基づきその責務を遂行する際に、地域の伝統的又は文化的指導者及び関連するClanの指導者と協議しなければならない。
6 文化問題常任委員会の決定は、その地域の伝統的又は文化的指導者、及び第4項(a)に基づく継承の場合は、Clan又は文化的指導者の会議によって承認されるまで、その効力を生じないものとする。
第4条【地域政府】
1 地域政府は、本条に従って選出される地域知事によって指導されるものとする。
2 以下の要件を満たさない者は、地域知事に選出される資格を有しないものとする。
(a)この憲法の第10条に規定される出生によるウガンダ市民であり、その両親又は祖父母のいずれかがその地域に居住しているか、又は居住していた者であり、1926年2月1日においてその地域の境界内に居住していた先住民族コミュニティの一員であったこと。
(b)議会議員となる資格を有すること。
(c)35歳以上であること。
3 地域知事は、以下のとおりとする。
(a)選挙管理委員会が実施する成年普通選挙によって直接選挙される。
(b)該当する場合、その職務に必要とされる文化的及び伝統的な職務及び儀式を遵守及び遂行する意思及び能力がある。
(c)該当する場合、選挙に際し、その地域の文化的又は伝統的指導者から職務上の証書を授与される。
(d)地域政府の政治の長である。
4 議会は法律により、地域政府の知事の解任の事由及び手続きを定めるものとする。
第5条【地域政府の大臣】
1 地域政府には、地域政府の長が、地域議会の承認を得て任命する地域大臣を置くものとする。
2 地域大臣の人数は、議会が決定するものとする。
第6条【中央政府との協力】
地域政府は、中央政府の省庁と協力するものとし、政策事項については大統領府と連携するものとする。
第7条【地域議会における投票】
1 第3条に定める文化的利益の代表は、党派的な議案について投票することはできない。
2 地域議会において提出又は討議される過程において、直接選挙で選出された代表の過半数の投票によって党派的なものであると宣言された場合、その議案は党派的な性質を有するものとみなされる。
第8条【伝統的又は文化的指導者の役割】
伝統的指導者又は文化的指導者が地域に存在する場合、その伝統的又は文化的指導者は、以下のとおりとする。
(a)地域政府の首長となる。
(b)地域議会の首長であり、その開会、演説及び閉会を行う。
(c)この憲法の第246条並びに議会及び地域議会が定める利益、特権及び役割を享受する。
第9条【地域政府の職務及び業務】
地域政府が責任を負う職務及び業務は、以下のとおりである。
(a)国立大学及びその他の国立機関を除く、中等教育及び高等教育機関。
(b)地域道路
(c)国家委託病院及び国立医療機関以外の、地域委託病院。
(d)農業の調整、監視及び監督。
(e)政府が管理する森林、国立公園及び野生生物保護区以外の、森林。
(f)文化
(g)文化的及び伝統的な土地。
(h)地方の言語、工芸品及び骨董品の振興。
(i)水
(j)衛生
(k)中央政府の承認に基づき、特別料金を徴収すること。
(l)県議会が自主的に移譲した職務及び業務。
(m)地域政府が政府プログラムの実施を監視及び監督できるように、中央政府への県の財務説明の写しを受け取ること。
第10条【土地】
1 地域政府は、地域土地委員会を設置することができる。地域土地委員会の職務は、以下の事項を含むことができる。
(a)地域の土地利用の調整及び監視。
(b)地域の土地利用計画。ただし、地域の土地計画と中央政府の土地計画の間に相反するものがある場合は、後者が優越するものとする。
2 地域土地委員会は、以下の者によって構成されるものとする。
(a)地域の全ての県土地委員会の委員長。
(b)地域政府によって任命される同数の委員。
3 地域土地委員会は、議会が定める方法により、その地域の各県土地委員会を代表するものとする。
第11条【地域政府の財政規定】
1 地域政府が設置された場合、政府は、この憲法の別表7を参照し、地域政府に対する無条件交付金の計算式を作成するものとする。
2 政府の一般的指示の下、専門家が地域政府と協議した上で、地域政府への財政的配分の計算式を作成するものとする。
3 地域へ送金される交付金は、人口などの経済的及び社会的条件、並びにその他同様の考慮事項に照らして変更することができる。
4 中央政府が合理的な理由なく、地域政府への送金を怠った場合に頼ることができる機構を設けるものとする。
第12条【文化的多様性の承認及び資源の公平な配分】
1 各地域政府は、地域内に存在する異なる文化を承認及び尊重しなければならない。
2 地域政府は、政府が地域政府と協議して作成した計算式に従って、地域内の資源が公平に配分されるように保障するものとする。
第13条【国家文化遺産】
議会は法律により、以下の事項を行うものとする。
(a)国家文化遺産を官報に掲載する。
(b)本条(a)に規定する文化遺産の所有権及び管理権を定める。
第14条【大統領による地域政府の代行】
1 以下の場合には、地域政府は、議会法の定める方法により、この憲法の第202条に基づく県行政の代行と同様に、大統領による行政の代行の対象となるものとする。
(a)第12条の要件を満たしていないと高等裁判所が決定した場合。
(b)地域政府からの要請があり、公共の利益に適合する場合。
(c)当該地域又はウガンダ全体で緊急事態が宣言された場合。
(d)地域政府の活動が極めて困難又は不可能となった場合。
2 第1項に規定する状況において、大統領は、議会議員の3分の2の承認を得て、地域政府の行政権及び立法権を代行することができる。
3 第2項に規定する権限の大統領による行使は、大統領が任命する者又は公務員を通して行うことができる。立法権は、法定文書により行使されるものとする。
4 大統領が本条に基づき地域政府の立法権の行使を代行する場合、大統領は、この別表の第3条に定める文化に関する事項について、法律を制定する権限を有しないものとする。
5 議会がより長い期間について承認しない限り、大統領が代行する権限の行使は、90日を超えない期間でなければならない。
6 第5項に基づく期間の満了の際に、以下の事項を行う。
(a)大統領は、当該地域の行政を現任の地域政府に復帰させるものとする。
(b)議会が、現在の状況では、現任の地域政府が地域行政を再開することがまだ不可能であると決定した場合、
(i)地域議会の残りの任期が12か月を超える場合、大統領は、60日以内に新たな地域議会の選挙を実施するものとする。
(ii)地域議会の残りの任期が12か月に満たない場合、大統領は、次の選挙が実施されるまで、引き続き地域を管理するものとする。