第58条【民間部門の自由、社会的市場経済】、第59条【経済の自由の保障、中小企業の振興】 第60条【経済の多元性】、第61条【自由競争の促進】、第62条【契約の自由】、第63条【外国からの投資、他国の保護主義への対抗措置】、第64条【外貨の保有及び処分の保障】、第65条【消費者の保護、国民の健康及び安全】

第３編【経済制度】

第１章【総則】

第58条　民間主導は自由である。それは社会的市場経済の中で実施される。この制度の下で、国は国家の発展を指導し、主に雇用促進、健康、教育、安全、公共サービス及びインフラ整備の分野で活動する。

第59条　国は国富の創造を促進し、労働の自由、並びに企業、貿易及び産業の自由を保障する。これらの自由の行使は、公共の道徳、公衆衛生又は公共の安全を損なうものであってはならない。国は、不平等に苦しむ部門に改善の機会を提供する。この観点から、あらゆる形態の中小企業を振興する。

第60条　国は経済の多元性を認める。国民経済は、多様な所有及び企業形態の共存の上に成り立つ。

国は、明示的な法律で認められる場合に限り、高い公益性又は明白な国民の便益を理由に、直接的又は間接的に企業活動を補助的に実施することができる。

企業活動は、公的であれ私的であれ、同様の法的取扱いを受ける。

第61条　国は自由競争を促進及び監督する。それを制限するような慣行、並びに支配的及び独占的地位の濫用を撲滅する。いかなる法律又は協定も、独占を認可又は設定してはならない。

報道、ラジオ、テレビ及びその他のメディア、並びに一般に表現及び通信の自由に関連する企業、商品及びサービスは、直接的であれ間接的であれ、国家又は私人による排他、独占又は買占めの対象としてはならない。

第62条　契約の自由は、当事者が契約時に有効な規則に従い、有効に合意できることを保障するものである。契約条項は、法律又はその他のいかなる種類の規定によっても変更することはできない。契約関係に起因する紛争は、契約に規定された、又は法律で制定された保護機構に従い、仲裁又は裁判によってのみ解決することができる。

契約法により、国は保障及び担保を与えることができる。これらは、前段で規定する保護を損なうことなく、立法によって変更することはできない。

第63条　国内投資及び外国投資は同一の条件に従う。商品、サービスの生産及び外国貿易は自由である。他国が国益を損なう保護主義的又は差別的な措置を採用した場合、国は国益を保護するために同様の措置を採用することができる。

国家及び公法人が外国籍の居住者と締結するあらゆる契約において、外国人は共和国の法律及び司法機関に服し、全ての外交上の請求権を放棄する。財政的性質を有する契約は、国家の司法権を免れることができる。

国及びその他の公法人は、その契約関係から生じた紛争を、有効な条約に基づいて設置された裁判所に付託することができる。また、法律の定める方式により、国内仲裁又は国際仲裁に付託することもできる。

第64条　国は、外国通貨の自由な保有及び処分を保障する。

第65条　国は消費者及び利用者の利益を保護する。そのために、市場で入手できる商品及びサービスに関する情報を得る権利を保障する。同様に、特に国民の健康及び安全に配慮する。

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