第86条【労働の権利】、第87条【完全雇用】、第88条【差別の禁止】、第89条【女性の労働】、第90条【未成年者の労働】、第91条【労働時間及び休憩】、第92条【労働に対する報酬】、第93条【労働者に対する追加的な給付】、第94条【雇用の安定及び補償金】、第95条【社会保障】、第96条【労働組合の自由】、第97条【労働協約】、第98条【ストライキ及びロックアウトの権利】、第99条【労働規則の遵守】、第100条【住宅に対する権利】
第1部【基本宣言、権利、義務及び保障】
第2編【権利、義務及び保障】
第8章【労働】
第1節【労働の権利】
第86条 共和国の全ての住民は、適法な労働をする権利を有する。自由に選択し、公正かつ尊厳ある条件の下で行うものとする。法律により、あらゆる形態の労働を保護するものとする。法律によって労働者に付与される権利は、放棄することのできないものである。
第87条 国は、国内労働者を優先して、完全雇用及び人材の職業訓練を目的とする政策を推進するものとする。
第88条 民族、性別、年齢、宗教、社会的地位及び政治的又は労働組合的な選好を理由とする、労働者間の差別があってはならない。
身体的若しくは精神的な制限又は障害を有する者の労働は、特別に保護されなければならない。
第89条 男女の労働者は、同等の労働の権利及び義務を有する。ただし、出産は、看護サービス及び対応する休暇を含む、特別な保護の対象となる。その期間は12週間を下回ってはならない。女性は、妊娠中及び出産休暇中は解雇されない。
法律により、父親の休暇制度について定めるものとする。
第90条 未成年労働者の正常な身体的、知的及び道徳的な発達を保障するために、その権利を優先するものとする。
第91条 通常の労働の最長時間は、特別の理由によって法律の定める場合を除いて、1日8時間、1週間に48時間を超えてはならない。法律により、不健康、危険、過酷、夜間又は連続交代制の労働について、より有利な労働時間を定めるものとする。
休憩及び年次休暇については、法律に従って賃金を支払われるものとする。
第92条 労働者は、自己及び家族が自由で尊厳ある生活を保障される報酬を享受する権利を有する。法律により、最低生活賃金、年間ボーナス、家族ボーナス、不健康又は危険な労働に対する基本賃金より高い賃金の認定、並びに時間外、夜間及び休日の労働について定めるものとする。基本的に、同一労働同一賃金である。
第93条 国は、労働者に追加的な給付を行う企業に対する奨励制度を設ける。そのような報酬は、賃金及びその他の法定給付とは別個のものとする。
第94条 雇用の安定に対する権利及び不当解雇の場合の補償金に対する権利は、法律の定める制限内で保障されるものとする。
第95条 労働者及びその家族のための強制的かつ包括的な社会保障制度は、法律によって定めるものとする。この制度は、国民のあらゆる部門に拡張するものとする。
社会保障制度の事業は、公共、民間又は合弁とし、いかなる場合も国が監督するものとする。
社会保険の財源は、その特定の目的に流用してはならない。資産を増加させる可能性のある有利な投資を損なうことなく、この目的のために利用できるものとする。
第96条 全ての公務員及び民間労働者は、事前の認可なしに労働組合を組織する権利を有する。ただし、軍及び警察の構成員はこの権利を有しない。使用者も同様に組織の自由を享受する。何人も労働組合への加入を強制されてはならない。
労働組合の承認は、管轄行政機関に登録すれば足りる。
当局の選挙及び労働組合の運営においては、法律の定める民主的慣行が遵守されなければならない。これによって労働組合の指導者の安定も保障されるものとする。
第97条 労働組合は、集団的な活動を推進し、労働条件に関する協約を締結する権利を有する。
国は、労働争議の調停的解決及び社会的協調を奨励する。仲裁は任意とする。
第98条 公共部門及び民間部門の全ての労働者は、利害が対立する場合、ストライキを行う権利を有する。使用者は、同様の条件下でロックアウトの権利を享受する。
ストライキ及びロックアウトの権利は、国の軍及び警察の構成員には及ばない。
法律により、これらの権利の行使がコミュニティに不可欠な公共サービスに影響を及ぼさないよう規制するものとする。
第99条 労働規則及び労働安全衛生規則の遵守は、法律によって設置される当局の監督に服する。同当局は、その違反の場合の制裁を定めるものとする。
第100条 共和国の全ての住民は、尊厳ある住宅に対する権利を有する。
国は、この権利の実効性を保障するための条件を整備する。十分な融資制度により、特に低所得世帯のために、社会の利益に適う住宅計画を推進するものとする。
・パラグアイ共和国憲法(1992)【私訳】へ戻る。