第267条【地方分権の目的】、第268条【地方分権団体】、 第269条【地方分権機関の自治権】、第270条【地方分権の限界】、第271条【規制権限】、第272条【行政上の監督】、第273条【州知事及び郡行政長官の解任】、第274条【国の中央機関と地方分権団体の調整】、第275条【地方分権団体の職員】
第14編【地方分権】
第1章【総則】
第267条 地方分権の目的は、モザンビーク国家の単一性の範囲内で、コミュニティの問題解決への市民参加を組織し、地方の発展並びに民主主義の深化及び強化を促進することである。2 地方分権は、住民の自発性及び能力に依拠し、市民参加の組織と緊密に協力して行動するものである。
第268条 地方分権は以下の機関で構成される。:
(a)州及び郡の地方分権の政府機関。
(b)地方自治体
2 国は、法律の定める条件の下で、専属的かつ主権的な職務を執行するために、地方分権団体における代表権を保持するものとする。
第269条 地方分権の政府機関及び地方自治体は、法律に従い、行政、財政及び財産の自治権を享受する。
第270条 地方分権は、単一国家、国民統合、主権、国家の不可分性及び不可譲性を尊重し、国益の優先、補完性及び漸進性の原則に従うものとする。
2 地方分権の限界には、国の中央機関の専属的な権限に関する事項、特に以下の事項が含まれる。:
(a)主権職務
(b)法律の範囲内の事項に関する規則。
(c)国の政策の立案。
(d)国の統一政策の実施。
(e)州、郡及び自治体の階層において国を代表すること。
(f)領域の定義及び組織。
(g)国防
(h)公共の安全及び秩序。
(i)国境の管理。
(j)通貨の発行。
(k)外交関係
(l)鉱物資源及びエネルギー。
(m)土壌及び地下土壌、内水面、領海、接続水域、大陸棚及び排他的経済水域に存在する天然資源。
(n)租税の創設及び改正。
第271条 地方分権の政府機関及び地方自治体は、憲法、法律及び監督権限を有する当局が発行する規則に従い、独自の規制権限を有する。
第272条 地方分権された州、郡及び地方自治体の政府機関は、国による行政上の監督に服するものとする。
2 州、郡、地方自治体の議会及びその行政機関に対する国の監督は、行政及び財政行為の適法性を確認するものである。
3 例外的に、法律で明示的に規定する場合、監督される機関が発行した決定の是非も監督の対象とすることができる。
4 州、郡及び自治体の議会は、法律に定める重大な行為又は不作為の結果により、政府がこれを解散することができる。
5 政府によって発行された解散命令は、法律に従い、憲法評議会の審査及び決議の対象となる。
第273条 共和国大統領は、以下の場合、国務院と協議した上で、州知事及び郡行政長官を解任することができる。:
(a)憲法違反
(b)国民統合を危うくする行為を行った場合。
(c)予算及び財政管理の規則違反が証明され、これを繰り返した場合。
(d)重い拘禁刑に相当する犯罪の有罪判決。
2 共和国大統領による解任命令は、法律に従い、憲法評議会の審査の対象となる。
第274条 主権機関及びその他の国の中央機関は、州、郡及び地方自治体に関する権限内の事項について、州、郡及び自治体の政府機関と協議するものとする。
2 法律により、主権機関、国の中央機関と地方分権機関及び地方自治体の間の調整及び協力の方法について定めるものとする。
第275条 分権された州、郡及び地方自治体の政府機関は、法律に従い、独自の職員を置くものとする。
2 国家公務員及び職員に関する規則は、州、郡及び自治体の公務員及び職員に準用される。
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