第27条【差別からの保護】、第28条【保護的規定の執行】、第29条【緊急事態】、第30条【第3章の解釈】
第3章【個人の基本的な人権及び自由の承認及び保護】
第27条 第4項、第5項及び第7項の規定に従い、いかなる法律も、それ自体又は効果において差別的な規定を設けてはならない。2 第6項、第7項及び第8項の規定に従い、何人も、法律に従い、又は公職若しくは当局の職務の遂行において行動する者により、差別的な取扱いを受けてはならない。
3 本条において「差別的」とは、人種、部族、性別、出身地、政治的意見、肌の色又は信条によるそれぞれの属性を完全な又は主要な理由として異なる者に、異なる取扱いを与え、ある属性の者が、別の属性の者が受けない障害若しくは制限を受け、又は別の属性の者には与えられない特権若しくは便益を与えられることを意味する。
4 第1項は、法律が以下の規定を設ける範囲において、当該法律には適用されない。―
(a)シエラレオネの歳入若しくはその他の資金の配分又は課税(免許付与のための手数料の賦課を含む)のための規定。
(b)シエラレオネの市民でない者に関する規定。
(c)登録若しくは帰化により、又は議会の決議によってシエラレオネの市民権を取得した者に関する規定。
(d)養子縁組、婚姻、離婚、埋葬、死亡時の遺産分割又は身分法におけるその他の利益に関する規定。
(e)特定の人種又は部族の構成員に慣習法を適用するための規定。当該慣習法は、ある事項に関して他の法律を排して適用される。ただし、他の者の場合、その事項に関する法律が適用される。
(f)緊急事態の期間中に存在する状況に対処するために、合理的に正当化できる措置を講じることを授権するための規定。
(g)第3項に規定する者が、障害若しくは制限を受け、又は特権若しくは便益を与えられる場合、その性質及びそのような者又は別の属性の者に関する特別な事情を考慮して、民主的社会において合理的に正当化される規定。
(h)市民権の制限、国民登録又は人口統計の収集に関する規定。
5 法律に含まれる事項は、公務員若しくは国防軍の隊員としての服務のための資格、地方政府当局若しくは法律によって直接設立された団体の服務のための資格又は議会議員としての資格に関する規定を設ける範囲において、第1項に抵触又は違反するものとはみなされない。
6 第2項は、第4項又は第5項に規定する法律の規定により、明示的に又は必要な含意によって行うことが認められるものには適用されない。
7 法律に含まれる、又はその権限に基づいて行われる事項は、当該法律が第3項に規定する属性の者に対して、第18条、第22条、第24条、第25条及び第26条によって保障される権利及び自由を制限することができる規定を設ける範囲において、本条に抵触又は違反するものとはみなされない。第18条第3項、第22条第2項、第24条第5項、第25条第2項又は第26条第2項によって認められる制限である。
8 この憲法又はその他の法律により、ある者に付与される、裁判所における民事又は刑事訴訟の提起、追行又は中止に関する裁量権の行使は、第2項の規定に反するという理由で裁判所の調査の対象となることはない。
第28条 第4項の規定に従い、第16条から第27条までの規定が、ある者が、自己(被拘禁者については、これに関して他の者がその違反を主張する場合)との関係で違反が行われ、継続し、又はその恐れがあると主張する場合、その者(又は他の者)は、適法に利用することができる同じ事項に関する他の訴訟を害することなく、最高裁判所に救済を申し立てることができる。
2 最高裁判所は、以下の事項に関して第一審管轄権を有する。―
(a)第1項に従って何人かが行う申立てを審理及び判決する。
(b)第3項に従って付託された者の場合に生じるあらゆる問題を判決し、関係者が保護を受ける権利を有する前述の第16条から第27条までの規定を執行し、又はこれを保障するために適切と認める命令、令状及び指示を発行することができる。
ただし、最高裁判所は、申し立てられた違反に対する適切な救済手段が、他の法律の下で関係者に利用可能であるか、又は利用可能であったと認める場合、本項に基づく権限を行使しないものとする。
3 最高裁判所以外の裁判所における訴訟において、第16条から第27条までの規定の違反に関して疑義が生じた場合、当該裁判所は、その疑義を最高裁判所に付託することができる。その訴訟当事者から要求がある場合、付託しなければならない。
4(a)裁判所規則委員会は、本条を適用するために、最高裁判所の実務及び手続きに関する規則を制定することができる。
(b)議会は、本条によって付与される権限に加えて、最高裁判所が本条によって付与される管轄権をより効果的に行使できるようにする目的で、議会が必要又は望ましいと認める権限を最高裁判所に付与することができる。
5 議会は、以下の規定を設けるものとする。―
(a)本章に基づく権利を侵害されたシエラレオネ市民の困窮者に対して、又はその者が当該請求を訴追するために法律家のサービスを利用できるようにすることを目的として、財政援助を提供するための規定。
(b)そのような権利の侵害の申立てが相当なものであり、財政援助又は法律扶助の要求又は必要が現実のものであることを保障するための規定。
6 最高裁判所は―
(a)最高裁判所の5人以上の裁判官によって構成され、本章に基づき、決定のために付託されるあらゆる問題を検討し、当事者又はその代理人による弁論を審理した後に、可能な限り速やかに、いかなる場合も、その付託日から30日以内に、公開の法廷で当該問題についての判決を宣告するものとする。
(b)本章を適用する上で、同裁判所の裁判官の過半数によって判決する。その判決は、最高裁判所長官又は同裁判所が指示する他の裁判官が宣告するものとする。
第29条 大統領の見解において、緊急事態が差し迫り、又は始まった場合、大統領はいつでも、官報によって発行する宣言により、以下の事項を宣言することができる。―
(a)緊急事態がシエラレオネの一部又は全域に存在すること。
(b)放置すれば、シエラレオネの一部又は全域において緊急事態に至る可能性がある状況が存在すること。
2 大統領は、以下の場合に限り、緊急事態宣言を発行することができる。―
(a)シエラレオネが戦争状態にある場合。
(b)シエラレオネが侵略され、又は戦争事態に巻き込まれる差し迫った危険がある場合。
(c)シエラレオネの全域又は一部において、平和及び安全を回復するための非常措置を必要とする程度に、公共の秩序及び安全が現実に崩壊している場合。
(d)シエラレオネの全域又は一部において、公共の秩序及び安全が現実に崩壊する明白かつ現在の危険があり、これを回避するための非常措置が必要である場合。
(e)差し迫った危険が発生した場合、又はシエラレオネのコミュニティ若しくはその一部に影響を及ぼす災害が発生した場合。
(f)シエラレオネの存立を明らかに脅かす、その他の公共の危険がある場合。
3 第1項に基づく宣言は全て、以下の場合に失効する。―
(a)議会が開催されているときに発行された宣言の場合、宣言の発行日から7日を経過したとき。
(b)その他の場合、宣言日から21日を経過したとき。
ただし、その間に、議会議員の3分の2以上の賛成を得た議会決議によって承認され、又は置き換えられた場合を除く。
4 第1項に基づき発行された宣言は、議会決議によって置き換えられる前であればいつでも、大統領が、官報によって発行する宣言で取り消すことができる。これに基づいて講じられた全ての措置は、有効かつ適法とみなされる。また、いかなる裁判所の調査の対象となることもない。
5 緊急事態の期間中、大統領は、シエラレオネ又はその一部の平和、秩序及び良き統治を維持及び保障する目的で、必要又は便宜的と認める規則を制定し、そのような措置を講じることができる。
6 第5項によって付与される権限の一般性を逸脱することなく、本章の規定にかかわらず、その規則又は措置は、同項に規定する目的について大統領が必要又は便宜的と認める範囲において―
(a)人の拘禁、定められた地域内での人の移動の制限並びにシエラレオネ市民以外の者のシエラレオネ又はその一部からの追放及び退去のための規定を設けることができる。
(b)以下の事項を許可することができる。―
(i)政府に代わって財産又は事業を所有又は管理すること。
(ii)政府に代わって土地以外の財産を取得すること。
(c)敷地内への立入り及び捜索を許可することができる。
(d)法律を改正し、その運用を停止し、修正の有無にかかわりなく、これを適用することができる。:
ただし、その改正、停止又は修正を、この憲法に適用してはならない。
(e)ライセンス、許可、証明書又は規則を適用するためのその他の文書の交付又は発行に関して、規則によって定める手数料を徴収することを規定することができる。
(f)規則の影響を受ける者に対する補償金及び報酬の支払いについて規定することができる。
(g)規則に違反した者の逮捕、裁判及び処罰を規定することができる。
(h)コミュニティの生活及び福祉に不可欠であると大統領が認める物資及びサービスの維持について規定することができる。
ただし、本項のいかなる規定も、軍事裁判所による国防軍の隊員でない者の裁判について、緊急事態の期間中に規則を制定することを認めるものではない。
7 その規則の規定に基づく補償金又は報酬の支払いは、統合基金の負担とする。
8 本条に基づいて制定される規則は、シエラレオネの全域又は規則で指定されるその一部に適用される。
9 本条に基づいて制定される規則は、その規則の目的のために必要又は便宜的であるとこの憲法によって認められる目的のために、規則で指定される当局又は者に命令及び規則を制定する権限を付与することを規定することができる。
10(a)本条に基づいて制定された全ての規則又は措置及びそのような規則に従って制定された全ての命令又は規制は、適法に行われた事項の効力を損なうことなく、その施行日から90日後に失効する。ただし、その期間が経過する前に、議会が可決した決議によって承認された場合を除く。
(b)その規則、命令又は規制は、それに基づいて適法に行われた事項の効力を損なうことなく、大統領がいつでも改正し、又は取り消すことができる。
11 第23条第7項及び第8項の規定に従い、本条に基づいて制定された全ての規則及びこれに基づいて制定された全ての命令又は規制は、法律に抵触する規定があっても効力を有する。その規則、命令又は規制に抵触する法律の規定は、当該規定がいかなる法律に基づいて改正、修正又は運用停止されたか否かにかかわりなく、その規則、命令又は規制が効力を有する範囲において、失効する。
12 第1項に基づいて発行された宣言で、第2項の規定に従って議会決議によって承認又は置換されたものは、第3項の規定に従い、その決議が効力を有する限り、引き続き効力を有する。
13 本条を適用するために可決された議会決議は、12か月又はこれが指定するより短い期間、引き続き効力を有する。:
ただし、その決議は、議会議員の3分の2以上の賛成を得た別の決議により、随時延長することができる。各延長は、その延長の決議日から12か月を超えないものとする。また、そのような決議は、議会議員の単純多数決による決議でいつでも取り消すことができる。
14 第1項に基づいて発行され宣言が特定の時点で失効する旨の本条の規定は、その時点の前後にかかわりなく、その宣言を再度発行することを妨げるものではない。
15 本条又はこれに基づく規則に従い、大統領又はその他の当局若しくは者が制定又は発行し、大統領又はその他の当局若しくは者のために署名されたと主張される全ての文書は、証拠として受理される。これに反する事項が立証されるまで、大統領又はその当局若しくは者によって制定又は発行された文書とみなされる。
16 大統領は、議会が解散されていても、第2項の目的のために議会を召集することができる。解散の直前に議会議員であった者は、その目的のために、引き続き議会議員であるとみなされる。ただし、この憲法の第79条(議会議長の選出に関する規定)の規定に従うものとする。この憲法の第85条(緊急事態の期間中の議会の存続期間の延長に関する規定)の規定を損なうことなく、本項によって召集された議会は、第2項の目的のための決議案の審議及び採決以外の議事を執行してはならない。
17 拘禁期間中―
(a)第6項(a)に規定する事件で拘禁され、保釈されない者が、その期間中における最後の要求から30日以後であればいつでも、要求する場合、その事件は、法律によって設置される、独立した公平な裁判所が審査するものとする。同裁判所は、法律家としてシエラレオネで執務する資格を有する、15年以上の経験を有する3人以下によって構成される。
(b)(a)に基づいて設置される裁判所の裁判長は最高裁判所長官が任命し、その他の2人の裁判官はシエラレオネ弁護士会が指名するものとする。
(c)(a)に基づいて被拘禁者の事件を裁判所が審査する場合、裁判所は、その拘禁を命じた当局に対して、これを継続する必要又は便宜に関する勧告を行うことができる。ただし、法律に別段の定めがある場合を除いて、当該当局は、その勧告に従って行動する義務を負うことはない。
18 法律に含まれ、又はその権限に基づいて行われる事項は、当該法律が、緊急事態の直前及びその期間中に存在する状況に対処する目的で合理的に正当化できる措置を講じることを認める範囲において、本条に抵触又は違反するものとはみなされない。
第30条 本章において、文脈上別段の定めがある場合を除いて、以下の表現はそれぞれ以下の意味を有する。―
○ 要件に関する「違反」は、その要件に従わないことを含み、同義語はそれに従って解釈される。
・「裁判所」とは、地方裁判所又は服務法によって設置される裁判所以外の、シエラレオネにおけるあらゆる裁判所を意味する。また―
(a)第16条、第17条、第18条、第19条、第23条第3項、第5項、第6項、第9項(ただし、そのただし書を除く)及び第11項、第25条第2項、第27条第8項、第28条第3項並びに第29条第4項において、服務法に対する違反との関係で、そのように設置される裁判所を含む。
(b)第17条、第19条及び第27条第8項において、服務法に対する違反との関係で、国防軍又はシエラレオネ警察部隊の隊員を含む。
・「国防軍」とは、シエラレオネ共和国政府の海軍、陸軍又は空軍を意味する。
・国防軍又はその他の規律ある部隊に関する「隊員」には、その部隊の規律を定める法律に基づき、その規律に服する者が含まれる。
・「所有者」には、第21条に基づいて権利又は利益を奪われた者又はその承継人が含まれる。
・「服務法」とは、国防軍、シエラレオネ警察部隊又は規律ある志願部隊の規律に関する法律を意味する。
2 第16条、第17条、第18条及び第21条における「刑事犯罪」への言及は、服務法に対する違反への言及を含むものと解釈される。第23条第4項から第9項までの当該言及は、服務法によって設置される裁判所における訴訟との関係において、同様に解釈される。
3 シエラレオネ以外の国の法律により、又はその権限に基づき、当該法律に基づいて招集され、適法にシエラレオネに駐留する軍隊の隊員に対して行われる事項は、本章の規定に違反するものとはみなされない。
4 議会法に基づいて招集される規律ある部隊の隊員である者について、その部隊の懲戒法に含まれる、又はその権限に基づいて行われる事項は、本章の規定に抵触又は違反するものとはみなされない。
5 前述の規定以外で招集される規律ある部隊の隊員で、シエラレオネに適法に駐留する者について、その部隊の懲戒法に含まれる、又はその権限に基づいて行われる事項は、本章の規定に抵触又は違反するものとはみなされない。
6 適切な「議会議員の多数決」の決定について、関連する時点で実際に議会議員として有効に存在する者のみを考慮するものとする。
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