R5年度第2回高認化学基礎大問5解説
大問5【化学反応】
問1【酸と塩基】
次の文章は、酸と塩基の定義について述べたものである。(A)~(C)に当てはまる語句の組合せとして正しいものはどれか。アレニウスは「酸とは、水に溶けて(A)を生じる物質であり、塩基とは、水に溶けて(B)を生じる物質である。」と定義した。一方、水溶液中でなくても、酸と塩基が反応する場合がある。そこで、ブレンステッドとローリーは、水溶液以外の反応でも酸や塩基について説明できるように定義を拡張し、「酸とは、(A)を与える分子やイオン、塩基とは、(A)を受け取る分子やイオンである。」とした。後者の定義では、次の反応式の下線部の水分子は、アンモニア分子に(A)を与えているので、(C)としてはたらいている。
・A:水素イオン$\mathrm{H^+}$、B:水酸化物イオン$\mathrm{OH^-}$、C:酸。
問2【水溶液のpH】
次のA~Cの水溶液をpHの小さい順に並べたとき、正しいものはどれか。A 0.10mol/L 塩酸$\mathrm{HCl}$(電離度1.0)
B 0.10mol/L 酢酸$\mathrm{CH_3 COOH}$水溶液(電離度0.010)
C 0.10mol/L 水酸化ナトリウム$\mathrm{NaOH}$水溶液(電離度1.0)
・A < B < C
A:$0.10 = 10^{-1.0}$
$\mathrm{pH} = 1.0$
B:$0.10 \times 0.010 = 10^{-3.0}$
$\mathrm{pH} = 3.0$
C:$0.10 = 10^{-1.0}$
$[\mathrm{H^+}][\mathrm{OH^-}] = 1.0 \times 10^{-14}$より、$\mathrm{pH} = 13$
問3【酸化と還元】
次の化学反応式について、反応の前後で酸化されている原子と還元されている原子の組合せとして正しいものはどれか。・酸化されている原子:$\mathrm{S}$、還元されている原子:$\mathrm{Cl}$。
問4【イオン化傾向】
A~Cの3種類の金属について、表面をみがいた小片を塩化ナトリウム水溶液で湿らせたろ紙の上に置き、任意の2種類を選んで次の図のように検流計につないで測定したところ、下のような結果を得た。A~Cのイオン化傾向の大小の関係として適切なものはどれか。【実験結果】
AとBでは、電流がAからBへ流れ、Aが正極となった。
BとCでは、電流がCからBへ流れ、Cが正極となった。
AとCでは、電流がCからAへ流れ、Cが正極となった。
・AとBではA < B、BとCではB > C、AとCではA > C。
よって、B > A > C。
・令和5年度第2回高認化学基礎過去問解説に戻る。