R4年度第2回高認物理基礎大問3解説
大問3
問1【力学的エネルギー保存則】
図のように、摩擦のない曲線状のレールA、B、Cの同じ高さから、初速度0で小物体を運動させた。小物体は、それぞれの曲線状のレールを下ったのちレールを上る。これらのレールA、B、Cのうち、小物体が到達する最高点の高さが同じになるレールの組合せとして正しいものはどれか。・AとBとC
問2【摩擦力がはたらく場合の物体の運動】
図のように、水平面があり、AB間には摩擦がなく、BC間には摩擦がある。質量mの小物体をAから速さ$v$ですべらせたところ、小物体はBから距離$L$だけすべって静止した。小物体とBC間の面との動摩擦係数はいくらか。ただし、重力加速度の大きさを$g$とする。・動摩擦係数を$x$とおく。$F = mgx$
小物体の速さは$v - gxt$で、これが静止するのは$v - gxt = 0$のときである。
$gxt = v$
$t = \dfrac{v}{gx}$
$L$を計算すると
$L = v \times \dfrac{v}{gx} \times \dfrac{1}{2} = \dfrac{v^2}{2gx}$
よって、$x = \dfrac{v^2}{2gL}$
問3【熱量保存の法則】
緑茶をおいしく飲むためには、60℃程度の湯を用いるとよいと言われている。水を100℃に沸騰させてから冷めるのを待っていると時間がかかるので、100℃の湯500gに、20℃の水を加えて60℃にすることにした。20℃の水は何g必要か。ただし、熱は水や湯から外部に逃げることはないものとする。・20℃の水の量を$x$gとおく。
$(100 - 60) \times 500 = (60 - 20) \times x$
$40 \times 500 = 40x$
$x = 500$(g)
問4【熱運動のエネルギー】
次の文中の空欄にあてはまる語句として正しいものはどれか。ただし、紙の鍋が燃え始める温度は約450℃とする。先日、友達から、紙でできた鍋で湯豆腐を提供する飲食店があると聞いた。なんと、紙の鍋に水と豆腐を入れて固形燃料の炎で加熱して調理するというのである。紙の鍋が燃えない理由は、固形燃料の炎が鍋底にあたり、鍋底の紙を構成する分子の熱運動が激しくなるが、その熱運動のエネルギーはただちに水に伝わり、紙の鍋が燃え始める温度には達しないからである。
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