R5年度第2回高認化学基礎大問3解説
大問3【物質と化学結合】
問1【塩素原子】
次の文中の(A)、(B)に当てはまる数値と元素記号の組合せとして正しいものはどれか。塩素原子\mathrm{Cl}は価電子の数が7個で、不対電子は(A)個である。2個の塩素原子はお互いに電子を共有することで結合し、塩素分子\mathrm{Cl_2}をつくる。このとき、各塩素原子は貴ガス(希ガス)の(B)と同じ安定な電子配置となる。
・A:1、B:\mathrm{Ar}。
問2【電気陰性度と分子の極性】
太郎さん「先生、共有結合している原子の間で電荷がかたよることがあると聞きました。電子対は原子間で共有されているのに、どうしてそのようなかたよりが生じるのですか。」花子先生「たとえば、塩化水素\mathrm{HCl}では塩素原子\mathrm{Cl}の電気陰性度が水素原子\mathrm{H}より大きいため、塩素原子が共有電子対を引きつけています。その結果、水素原子と塩素原子の間で電荷がかたより、極性が生じます。しかし、同じ原子が共有結合している二原子分子では、原子間に電荷のかたよりはできません。」
太郎さん「なるほど。ということは、水素分子\mathrm{H_2}には極性がないのですね。」
花子先生「その通りです。」
問3【ケイ素の単体及び化合物】
ケイ素の単体および化合物に関する次の記述のうち、下線部が正しいものはどれか。① 二酸化ケイ素は、常温・常圧(20℃、1.0 \times 10^5Pa)で固体である。(よって、間違っている。)
② 二酸化ケイ素は、自然界に多く存在する。(よって、間違っている。)
③ ケイ素の単体は、二酸化ケイ素を還元して得る。(よって、間違っている。)
④ ケイ素の単体は、自然界に全く存在しない。(よって、間違っている。)
⑤ 二酸化ケイ素の結晶は、共有結合の結晶である。(正しい。○)
問4【高分子化合物】
次の文中の(A)、(B)に当てはまる語句の組合せとして正しいものはどれか。プラスチックの原料の一つであるポリエチレンは、エチレン分子\mathrm{CH_2 = CH_2}の二重結合が単結合になって次々に長くつながり、巨大な分子となった化合物である。ポリエチレンのように、多くの原子が(A)結合で結びつき、巨大な分子となった化合物を(B)という。
・A:共有、B:高分子化合物。
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