第100条【法律の発議権】、第101条【法案の提出】、第102条【議会の議題、政府の出席及び発言する権利】、第103条【議員の修正権、議員立法案及びその修正案の制限】、第104条【法案不許可の申立て】、第105条【緊急採決】、第106条【審議及び採決】、第107条【所管委員会における審査】、第108条【国民議会が解散中又は開催できない場合】
第5編【行政権と立法権の関係】
第2章【立法手続】
第100条 法律の発議権は、政府及び議会の両方に帰属する。第101条 法案は、国務院と協議した上で、議会両議院のどちらかの事務局に提出するものとする。
共和国大統領の委任により、政府副大統領又はその他の政府閣僚は、その提案理由を説明し、議会の各議院での審議を支援する責任を負う。
財政法案及び憲法改正案は、最初に国民議会に提出する。地方公共団体に関する法案は、最初に元老院に提出するものとする。
議会から政府に送付された法案で、60日以内に審査されなかったものは全て、自動的に議会で審議される。
第102条 議会の議題には、政府が提出した法案及びその他の法案の審議が組み込まれる。
政府は、各議院及びその委員会の議題について通知される。
政府は、議会の議院及びその委員会に出席し、発言する権利を有する。大臣の発言は、議会機関の判断又は要求によって聴取される。
第103条 議会議員は、修正権を有する。
議員立法案及びその修正案は、その採択によって公的収入が減少し、又は対応する収入が確保されることなく、公的支出が発生又は増加する場合は認められない。
修正案は、当該条文と完全に乖離したものであってはならない。
政府が要求した場合、付託された議院は、審議中の条文の全部又は一部について、政府が提案又は受諾した修正案のみを受け入れ、単独採決するものとする。
第104条 立法手続の過程において、ある条文又は修正案が、前述の第96条に規定する法律事項に含まれないと認める場合、又は第101条の規定によって政府に付与された立法権限の範囲を超えると認める場合、政府及び当該議員の5分の1の要求によって議長は、その不許可を提起することができる。
意見の相違がある場合、憲法院に付託される。同院は、8日以内に判決を下すものとする。
違憲と判断された条文によって不利益を被る者は全て、同様に憲法院にこの問題を付託することができる。同院は、同期間内に判決を下すものとする。
この期間が遵守されない場合、当該条文は無効となる。
第105条 法律の緊急採決は、政府又は議会議員の過半数によって要求することができる。
第106条 全ての法案は議会の両議院で順次審議され、同一の条文が可決される。
両議院の意見の不一致の結果、法案が各議院の読会後に可決されなかった場合、元老院及び国民議会の議長は、両議院合同委員会を招集し、審議中の条項に関する条文を提案する責任を負う。
合同委員会が共同条文を採択した場合、各議院が個別に可決した場合のみ、議会の条文となる。
合同委員会が共同条文を採択できなかった場合、地方公共団体及び憲法に関する法律を除いて、国民議会が最終的に決定するものとする。
憲法の審査が終了したときに意見の不一致が継続している場合、両議院の議長のどちらかが、憲法院にこの問題を付託し、意見を求めるものとする。
予算に関する手続きは、前述の第98条の特別規定を除いて、通常の法律の手続きと同様である。
国民議会及び元老院は、法律及び命令の公布と同時に、その適用を受ける。この法律の適用によって採択された全ての規制行為についても、同様である。
第107条 法案は、本会議での審議前に、各議院の所管委員会に送付及び審査される。
公開審議の開始後、修正案は、事前に所管委員会に提出しない限り、審議されることはない。
第108条 国民議会が解散した場合又は何らかの理由で開催できない場合、元老院は、共和国大統領から提出された、国の政策の実施に必要な立法文書を採択する。この立法文書は、新しい議会事務局の発足後最初の通常会期中に、国民議会に提出するものとする。
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