第113条【任務】、第114条【必要的判決事項】、第115条【任意的判決事項】、第116条【憲法解釈】、第117条【組織及び運営に関する規則並びに手続き】、第118条【選挙裁判】、第119条【法律及び命令の審査】、第120条【違憲の訴え、違憲判決の効力】、第121条【国際公約の審査】
第6編【司法権】
第2章【憲法院】
第113条 憲法院は、憲法に関する事項を管轄する。この憲法の規定に従い、行政府及び立法府に対して、公平かつ独立していなければならない。法律の合憲性並びに大統領選挙、議会選挙及び国民投票の正当性を判断する。基本的人権及び公共の自由を保障する。
諸機関の運営及び公権力の活動を規制する機関である。
憲法院の議席は、不可侵である。
第114条 憲法院は、以下の事項について判決を下すものとする。:
・発効前の国際条約及び協定。議会による承認法の採択後に、憲法適合性を確認するものとする。
・議会による採択前の憲法改正案。手続きの正当性及び改正の目的を確認するものとする。
・公布前の組織法の合憲性。
・施行前の国民議会、元老院及び経済社会環境文化評議会の規則。憲法適合性を確認するものとする。
・施行前の議会における会議規則。憲法適合性を確認するものとする。
・国家機関の間の管轄権の紛争。ただし、裁判所間の管轄権の紛争を除く。
・大統領選挙選挙、議会選挙及び国民投票の正当性。その結果を宣言するものとする。
・代議員及び元老議員の失職。
第115条 憲法院は、以下の事項について判決を下すことができる。:
・公布前の法律及び発行後の命令の合憲性。
・発行後最長30日以内に公布された法律の合憲性。
憲法院が法律の違憲性を認定した場合、議会は、30日以内に判決による法的状況を是正するものとする。
第116条 この憲法に定めるその他の権限に加えて、憲法院は、憲法及びその他の憲法的価値を有する文書に疑義又は不備がある場合に、これを解釈する権限を有する。共和国大統領、国民議会若しくは元老院の議長又は代議員若しくは元老議員の10分の1の要求により、これを付託することができる。
第117条 憲法院の組織及び運営に関する規則並びに手続きは、組織法によって定めるものとする。
第118条 選挙人、候補者、政党又は政府代理人は、憲法院における手続規則の定める条件の下で、選挙の効力について憲法院に提訴することができる。
第119条 共和国大統領は、組織法が適用される事項に関して、組織法及び命令を、公布又は発行前に憲法院に提出するものとする。
その他の種類の法律及び命令は、共和国大統領、議会の各議院議長又は議員の10分の1、破毀院、国務院及び会計検査院の院長又は当該法律若しくは命令によって不利益を被る市民若しくは法人が、憲法院に付託することができる。
憲法院は、基本的人権及び公共の自由を侵害するとみなされる法律及び命令の合憲性について、職権で判断する。より一般的に、人権侵害に関する判決を下す。この判決は、最長8日以内に下さなければならない。
組織法の定める対審手続に従い、1か月以内に判決を下す。ただし、共和国大統領が要求する場合及び緊急の場合は、この期間を8日に短縮するものとする。
上訴は、当該法律の公布又は当該命令の適用の期間を停止する。
違憲と宣言された規定は、公布、発行又は適用することができない。
第120条 全ての人は、普通裁判所における裁判において、訴訟の冒頭から、自己の基本的権利を侵害すると主張する法律又は命令について、違憲の訴えを提起することができる。
裁判官は、予備的申立てにより、この問題を憲法院に付託するものとする。
憲法院は1か月以内に判決を下す。法律又は命令が憲法違反と判断された場合、当該法律又は命令は判決の日から効力を失う。
議会は次の会期中に、憲法に違反しているという判決の結果を、付託手続の範囲内で審査するものとする。
憲法院が命令の違憲性を認定した場合、共和国大統領は、1か月以内に判決による法的状況を是正するものとする。
第121条 以下の第165条及び第166条に規定される国際公約は、共和国大統領、国民議会議長若しくは代議員の10分の1又は元老院議長若しくは元老議員の10分の1が、批准前に憲法院に付託するものとする。
憲法院は、当該公約に憲法に違反する条項が含まれているか否かを1か月以内に審査する。ただし、緊急の場合、共和国大統領の要求により、この期間は8日間に短縮される。
その場合、当該公約は、以下の第165条に規定される条件の下でのみ、批准することができる。
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