『平凡なおっさんだけど霊界探偵に採用されました【第2章】』第2節
『氷河期世代のおっさんだけど、豊川稲荷で道に迷ったら霊界探偵に採用された件』
第2章 鳳来寺山
第2節 名古屋の先輩探偵
当日、鳳来寺山麓の待ち合わせ場所で待っていると、噂の先輩探偵が少し遅れてやってきた。「遅れて申し訳ありません。道路が渋滞していて、少し遅れてしまいました。少し早めに着く予定だったんですけど・・・」
「いえいえ、私も今着いたばかりです。はじめまして、山本学と申します。」
「どうも、名古屋の大谷マサナです。私の方が少し先輩なので、今回は私が先に行きますね。」
「よろしくお願いします。」
マサナさんは、長い黒髪の美しい女性だった。
簡単なあいさつを済ませた後に、私たちは偽仙人がよく出没する地点を目指して、それなりに険しい山道を登っていった。
私はしっかりと足元を確かめながら、そして、マサナさんのお尻をしっかりと見つめながら、山道を踏みしめていった。
しばらくすると、マサナさんが突然立ち止まった。
「におうわね。」
マサナさんは早くも妖魔の妖気を嗅ぎとったらしい。
「近くにいるんですか?」
「分からないけど・・・気を付けて。山本君も万能錫杖を用意しておいた方がいいわ。あら、山本君の錫杖は剣になるタイプみたいね。」
「えっ?この錫杖、剣としても使えるんですか?」
「えぇ、私のは槍タイプ。私はこれで、宝蔵院流槍術を使って戦うの。」
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