コモディティ化する世界と破壊的イノベーションのジレンマ。
1 コモディティ化
最初にこの記事の主旨を書いてしまうけれど、決してエンジニアが喜ぶような技術的な内容のものではない。あくまでも世界を政治経済学的に理解する一環に過ぎない。
コモディティ化については、ウィキペディアの記事でも一読すれば理解できると思う。
僕はPCが好きなのでPCにからめて話すと、昔は特殊な業界や特殊な業務のための専用の機械だったものが、世間一般に広く普及する過程で、部品等がモジュール化して製造工程がシンプルになり、低価格化がさらに製品の普及に拍車をかけることになった。
2 TCP/IP
現在の通信技術の標準であるTCP/IPについても、このコモディティ化の流れで説明することができる。安価だがベストエフォートのTCP/IPが、NTTの高価だがより高度な技術よりも広く普及し、世界標準になった過程である。
・【GEPR】EVは「車のインターネット」である 池田信夫(アゴラ)
僕がNTT系列で派遣エンジニアをしていた頃、企業などが使用する事業用の専用線において、正にATMなどの技術がIPやイーサネットの技術に置き換わる過程の最中にあった。
3 破壊的イノベーションのジレンマ
同様のことが今後、自動車に関連する技術やサービスでも起こると言われており、破壊的イノベーションのジレンマにより手をこまねいて何もしなければ、世界的な企業であるトヨタでさえ危うくなるだろう。優秀な社員を抱えるトヨタはそんなこと百も承知で、もう既にいろいろな手を打っているけれど、正に次世代における生き残りをかけた正念場なのだろう。
・【GEPR】国交省が作り出す「EVのジレンマ」 池田信夫(アゴラ)
電気自動車の開発が簡単だとは思わない。
電気自動車用の電池、バッテリーなど、今後開発を続けなければならない要素技術もあるだろう。
ただ、構造や仕組みについては、これまでのエンジンで動く自動車よりも電気自動車の方がシンプルで理解しやすいかもしれない。
昔、ミニ四駆という電池で走る玩具の自動車模型があったけれど、電池で回転するモーターの力が車軸に伝わって走るという構造は、正に電気自動車の構造をシンプルに説明するものである。
4 変化できる者が生き残る
既存の自動車が電気自動車に置き換わったとき、新しい技術、サービス、産業も勃興するだろうけれど、既存の技術、サービス、産業が衰退する可能性もある。既存の自動車のエンジンなど、既存の自動車でしか使われないような部品等を製造している会社はどうなるのだろうか。
時代が変わることにより廃れてしまうものはあるけれど、基本的には社会の進歩は人々の暮らしを豊かにする。
僕が大学を卒業した頃は、スマホはおろかPCさえまだ十分に普及していなかった。
新卒で就職した田舎の市役所では、文書を作成するために職員が職場に個人用のワープロやPCを持ち込んでいた時代である。
作成した文書を印刷するために、文書をフロッピーディスクに保存して、印刷用のPCとプリンターが置いてある専用の部屋まで行く必要があった。
フロッピーディスクを持って、上司や先輩に「打出しに行ってきます」と言って、わざわざ打出し部屋まで行くのが日常だった。
時代の変化により既存のものが失われていくのは寂しいけれど、社会の進歩が暮らしを豊かにすることを肯定的に捉えて、自分自身も進化していかなければならないのだろう。
・過剰と破壊の経済学― 「ムーアの法則」で何が変わるのか?(池田信夫 blog)