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平成29年度愛知県公立高校入試(B)国語問4【漢文】

1 原文

 哀公、孔子に問ひて曰はく、
「寡人、吾が国小なれば而ち能く守らんと欲するも、大は則ち攻めん。
其の道如何。」と。
孔子対へて曰はく、
「君をして朝廷に礼有りて、上下和親せしめば、天下の百姓は、皆君の民ならん。
将た誰か之を攻めん。
苟くも此の道に違はば、民畔くこと帰するが如し。
皆君の讐なり。
将た誰と与にか守らん。」と。
公曰はく、
「善いかな。」と。
是に於て山沢の禁を廃し、関市の税を弛め、以て百姓に恵む。
(『孔子家語』より)

2 現代語訳

 哀公が孔子に質問した。
「私は、我が国は小国なので何とか守りたいと思っているのだが、大国が攻めてくる。
どうしたらよいであろうか。」
孔子は答えた。
「陛下が朝廷において礼儀を守って、国内の全臣民が親しむようになれば、世の中の人民は、皆陛下の民となるでしょう。
そうなれば誰が攻めてくるでしょうか。
もしそのようにしなければ、民は家に帰るように背くことになるでしょう。
皆陛下の敵となります。
そうなれば誰と共に国を守るのでしょうか。」
哀公は言った。
「もっともだ。」
そこで山や沢への立ち入り禁止を廃止し、関所や市場の税を緩和し、人民に恩恵を施した。

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