第275条【州イスラム法控訴裁判所】、第276条【州イスラム法控訴裁判所大法官及び法官の任命】、第277条【管轄権】

第７章【司法部】

第275条　必要であれば、州イスラム法控訴裁判所を置く。

２　州イスラム法控訴裁判所の構成は以下のとおりである。

（a）イスラム法控訴裁判所大法官。

（b）州議会の法律で規定される人数のイスラム法控訴裁判所法官。

第276条　州イスラム法控訴裁判所大法官の任命は、国家司法会議の推薦に基づき、州議会の承認を得て州知事が行うものとする。

２　州イスラム法控訴裁判所法官の任命は、州知事が国家司法会議に諮って行うものとする。

３　以下の条件を満たさない者は、州イスラム法控訴裁判所法官の職に就く資格を有しない。

（a）ナイジェリアの法律家として10年以上その資格を有し、国家司法会議が認める機関からイスラム法の公認資格を取得していること。

（b）あるいは国家司法会議が認める機関からイスラム法の公認資格を取得し、10年以上その資格を保持していること。

　（i）イスラム法の実務について豊富な経験を有していること。

　（ii）あるいはイスラム法の著名な学者である。

４　州イスラム法控訴裁判所大法官が空位の場合、又は何らかの理由で大法官が職務を執行できない場合、その職務を担う者が任命され就任するまで、又はその者が職務を再開するまで、州知事は州イスラム法控訴裁判所の首席法官を任命し、その職務を執行させるものとする。

５　国家司法会議の勧告による場合を除き、本条第４項の規定による任命は、その任命の日から３か月を経過すると効力を失い、大統領はその任命が失効した者を再任命してはならない。

第277条　州イスラム法控訴裁判所は、州の法律により付与される他の管轄権に加えて、本条第２項の規定により決定する権限のある、イスラム私法の問題に関する民事訴訟における控訴、及び管轄監督権を行使するものとする。

２　本条第１項の目的のために、イスラム法控訴裁判所は、以下の事項を決定する権限を有する。

（a）イスラム私法に基づく婚姻に関する問題。当該婚姻の有効性若しくは解消又は当該婚姻に基づく家族関係若しくは幼児の後見に関する問題を含む。

（b）訴訟の全当事者がイスラム教徒のであり、婚姻の有効性又は解消、家族関係、遺児、幼児の後見に関するイスラム私法の問題。

（c）寄進、寄付、遺言、相続に関するイスラム私法の問題で、権利者、寄付者、遺言者、死亡者がイスラム教徒である場合。

（d）イスラム教徒である幼児、浪費家、心神喪失者、又は肉体的、精神的に衰弱したイスラム教徒の世話や後見に関するイスラム私法の問題。

（e）訴訟の全当事者がイスラム教徒であり、第一審裁判所に対し、事件をイスラム私法に従って決定するよう要請している場合。及びその他の問題。