第286条【連邦上の原因に起因する州裁判所の管轄権】、第287条【判決の効力】、第288条【イスラム法又は慣習法を学んだ者】
第7章【司法部】
第4部【補足】
第286条 この憲法の規定に従い
(a)民事上の原因及びそれに起因する控訴の審理及び決定について、州の法律により裁判所に管轄権が付与されている場合、裁判所は連邦上の原因及びそれに起因する控訴の審理及び決定について、同様の管轄権を有するものとする。
(b)州の法律に対する違反行為の被告人の調査又は裁判、及び当該裁判又はそれに関する手続に起因する控訴の審理及び決定について、州の法律により裁判所に管轄権が付与されている場合、裁判所は連邦犯罪の被告人の調査又は裁判、及び当該裁判又は手続に起因する控訴の審理及び決定について、同様の管轄権を有するものとする。
(c)本条の規定により州の裁判所に付与された裁判権は、連邦上の原因以外の民事又は刑事の原因に対する裁判権について定められた、実務及び手続に準拠して行使されるものとする。
2 本条のいかなる規定も、この憲法の第299条及び第301条の運用により他の規定が設けられた場合を除き、ナイジェリアにおいて法律家としての資格を有しない者又は有していなかった者が主宰する裁判所に、連邦上の原因又は連邦犯罪について管轄権を付与するものと解釈されてはならない。
3 本条では、文脈上特別の定めがない限り、以下のとおりとする。
「原因」は事案を含む。
「連邦上の原因」とは、国民議会が法律を制定する権限を有する規定に関する民事上又は刑事上の原因を意味する。
「連邦犯罪」とは、国民議会の法律又は同様の効力を持つ法律の規定に反する犯罪を意味する。
第287条 最高裁判所の判決は、連邦のいかなる地域においても、すべての官憲及び個人、並びに最高裁判所の下位の管轄裁判所により執行されるものとする。
2 控訴裁判所の判決は、連邦のいかなる地域においても、すべての官憲及び個人、並びに控訴裁判所の下位の管轄裁判所により執行されるものとする。
3 連邦高等裁判所、高等裁判所及びこの憲法により設立された他のすべての裁判所の判決は、連邦のいかなる地域においても、すべての官憲及び個人、並びに連邦高等裁判所、高等裁判所及びこれらの他の裁判所の下位の管轄裁判所により、それぞれ執行されるものとする。
第288条 最高裁判所裁判官及び控訴裁判所裁判官の任命について本章前条までの規定に基づく権限を行使する場合、大統領は当該職位の者の中に、イスラム私法を学んだ者及び慣習法を学んだ者がいることを確保する必要性に配慮するものとする。
2 本条第1項を適用する上で
(a)ナイジェリアの法律家であり、最高裁判所裁判官の場合は15年以上、控訴裁判所裁判官の場合は12年以上のその資格を有し、いずれの場合も国家司法会議が認める機関からイスラム法の公認資格を得た者は、イスラム私法を学んだものとみなす。
(b)ナイジェリアの法律家であり、最高裁判所裁判官の場合は15年以上、控訴裁判所裁判官の場合は12年以上その資格を有し、いずれの場合も国家司法会議の意見として、慣習法の実務において相当の知識と経験を有している者は、慣習法を学んだものとみなす。