第109条【立法権の行使】、第110条【カウンティ政府に関する法案】、第111条【カウンティ政府に関する特別法案】

第８章【立法部】

第４部【法律制定の手続き】

第109条　議会による立法権の行使は、議会が法案を可決し、それを大統領が承認することによる。
２　いかなる法案も下院で発議することができる。
３　カウンティ政府に関するものではない法案は、下院においてのみ審議され、第122条及び下院の議事規則に従って可決される。
４　カウンティ政府に関する法案は、下院又は上院で発議され、第110条から第113条、第122条及び第123条、並びに両議院の議事規則に従って可決される。
５　法案は、議会の関連の議院の議員又は委員会が提出することができる。ただし、予算を伴う法案は、第114条の規定に従って下院でのみ提出することができる。

第110条　この憲法において、「カウンティ政府に関する法案」とは、以下のものをいう。
（a）別表４で規定する、カウンティ政府の役割及び権限に影響する条項を含む法案。
（b）カウンティ議会の議員又はカウンティ知事の選挙に関する法案。
（c）第12章において規定される、カウンティ政府の財政に影響する法案。
２　カウンティ政府に関する法案は、
（a）以下の場合、第111条の規定に従って審議する特別法案である。
　（i）カウンティ議会の議員又はカウンティ行政部の選挙に関する場合。
　（ii）第218条に規定する、毎年のカウンティ歳入配分法案の場合。
（b）その他の場合、第112条の規定に従って審議する通常法案である。
３　両議院のいずれかが法案を審議する前に、下院及び上院の議長は、それがカウンティに関する法案であるか否か、カウンティに関する法案である場合、それが特別法案と通常法案のいずれであるか、共同して決定しなければならない。
４　カウンティ政府に関する法案が議会の一方の議院で可決された場合、その議院の議長は、他方の議院の議長にこれを付託しなければならない。
５　両議院が同様の方式で法案を可決した場合、法案を発議した方の議院の議長は、７日以内に法案を大統領に送付し、その承認を得るものとする。

第111条　カウンティ政府に関する特別法案は、第２項及び第３項の規定に従って、カウンティ政府に関する通常法案と同一の手続きにより処理されるものとする。
２　下院は、上院で可決された特別法案を、下院議員の３分の２以上の賛成による決議によってのみ、修正又は拒否することができる。
３　特別法案の修正又は拒否についての下院の決議が可決しなかった場合、下院議長は、７日以内に上院の採択した方式で法案を大統領に送付し、その承認を得るものとする。

・ケニア共和国憲法（2010）【私訳】へ戻る。