第238条【国家安全保障の原則】、第239条【国家安全保障機関】、第240条【国家安全保障会議の設置】

第14章【国家安全保障】

第１部【国家安全保障機関】

第238条　国家安全保障とは、ケニアの領土と主権、国民、その権利、自由、財産、平和、安定及び繁栄、その他の国益に対する内外の脅威から保護することである。
２　ケニアの国家安全保障は、以下の原則に従って推進及び保障されるものとする。
（a）国家安全保障は、この憲法及び議会の権限に属する。
（b）国家安全保障は、法律を遵守し、法の支配、民主主義、人権及び基本的自由を最大限に尊重して追求される。
（c）国家安全保障機関は、その職務を執行し、権限を行使する際に、ケニア国内のコミュニティの多様な文化を尊重する。
（d）国家安全保障機関による採用は、ケニア国民の多様性を公平な割合で反映する。

第239条　国家安全保障機関とは以下の機関である。
（a）ケニア国防軍
（b）国家情報局
（c）国家警察庁
２　国家安全保障機関及び安全保障制度の主要な目的は、第238条第２項の原則に従い、国家の安全を推進及び保障することである。
３　国家安全保障機関及びその構成員は、職務を執行し、権限を行使する際に、以下の事項に該当してはならない。
（a）党派的に行動すること。
（b）政党の利益又は目標を助長すること。
（c）この憲法に基づく正当な政治的利益又は目標を害すること。
４　何人も、この憲法又は議会の法律に定める場合を除いて、国家の安全を推進及び保障することを目的とする軍隊、準軍事組織又は類似組織を設立してはならない。
５　国家安全保障機関は文民の権限に従属する。
６　議会は、国家安全保障機関の権限、組織及び管理について規定する法律を制定しなければならない。

第240条　国家安全保障会議を設置する。
２　会議の構成は、以下のとおりである。
（a）大統領
（b）副大統領
（c）国防を所管する閣僚。
（d）外交を所管する閣僚。
（e）治安を所管する閣僚。
（f）司法長官
（g）ケニア国防軍司令官
（h）国家情報局長官
（i）国家警察庁警察総監
３　会議は、国家安全保障機関を監督管理し、国家の法律で定めるその他の職務を執行する。
４　大統領は、会議において議長を務める。
５　会議はその書記を任命する。
６　会議は、
（a）国家安全保障機関が協力し、効果的に職務を執行できるように、国家安全保障に関する国内政策、外交政策及び軍事政策を一元化する。
（b）現実及び潜在的な国家安全保障能力に関して、共和国の目的、責任及びリスクを分析及び評価する。
７　会議は毎年、ケニアの安全保障の状況について議会に報告するものとする。
８　会議は議会の同意を得た上で、以下の事項を行うことができる。
（a）以下の目的のために、ケニア国外に自国の軍隊を派遣すること。
　（i）地域的又は国際的な平和支援活動。
　（ii）その他の支援活動。
（b）ケニア国内への外国の軍隊の派遣を承認すること。

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