第58条【緊急事態】
第４章【基本的人権】
第４部【緊急事態】
第58条 緊急事態は、第132条第４項（d）に基づき、以下の場合にのみ宣言することができる。
（a）戦争、侵略、暴動、騒乱、天災又はその他の公共の非常事態により、国家の存立が脅かされる場合。
（b）緊急事態宣言が発令された状況に対応するために必要である場合。
２ 緊急事態宣言及びその結果として制定された法律又はその他の措置は、以下の期間のみその効力を有するものとする。
（a）将来に向かってのみ。
（b）宣言の日から14日を超えない期間。ただし、下院が宣言の延長を決議した場合はこの限りではない。
３ 下院は、以下のとおり、緊急事態宣言を延長することができる。
（a）決議
（i）下院における公開討議後
（ii）第４項に規定する過半数の賛成
（b）一度に２か月以内
４ 緊急事態宣言の最初の延長には、全下院議員の３分の２以上の賛成を必要とし、その後の延長には、全下院議員の４分の３以上の賛成を必要とする。
５ 最高裁判所は、以下の事項の有効性について決定することができる。
（a）緊急事態宣言
（b）緊急事態宣言の延長
（c）緊急事態宣言の結果として制定された法律又はその他の措置。
６ 緊急事態宣言の結果として制定されたいかなる法律も、
（a）以下の範囲で、基本的人権に属する権利又は基本的自由を制限することができる。
（i）緊急事態により制限が厳格に要求されること。
（ii）法律が、緊急事態に適用される国際法の下での共和国の責務と整合していること。
（b）官報で公示されるまで、その効力を生じないものとする。
７ 緊急事態宣言又はその結果として制定された法律若しくはその他の措置は、違法な行為又は不作為に関して、国家又は何人かの補償を許可又は認可することはできない。