第126条【司法権の行使】、第127条【司法行政への国民参加】、第128条【司法の独立】
第８章【司法府】
【司法行政】
第126条 司法権は国民に由来し、この憲法に基づき設立された裁判所が、国民の名において、法律並びに国民の価値観、規範及び願望に適合するように、これを行使する。
２ 民事及び刑事事件に関する裁判において、裁判所は、法律に従い、以下の原則を適用するものとする。
（a）正義は、社会的又は経済的地位にかかわらず、全ての者に適用される。
（b）正義は、遅延しない。
（c）不正の被害者には適切な補償がなされる。
（d）当事者間の和解を促進する。
（e）実質的な正義は、技術的側面に過度にとらわれることなく実施される。
第127条 議会は、裁判所による司法行政への国民参加を定める法律を制定するものとする。
第128条 司法権の行使に際し、裁判所は、独立していなければならない。いかなる個人又は機関の統制又は指示にも服さないものとする。
２ いかなる個人又は機関も、裁判所又は司法官の司法権の行使を妨げてはならない。
３ 国家のあらゆる機関及び組織は、裁判所に対し、裁判所の実効性を確保するために必要な支援を提供するものとする。
４ 司法権を行使する者は、司法権を行使する際の行為又は不作為について、いかなる訴えにも責任を負うことはない。
５ 司法に従事する者に支払われる全ての報酬、手当、謝礼及び年金を含む、司法の管理経費は、統合基金の負担とする。
６ 司法府は独立採算制とし、その財政に関して、財政を所管する省と直接交渉するものとする。
７ 司法官又はその他の司法権を行使する者の報酬、手当、特権、退職給付及びその他の勤務条件は、その者の不利益になるよう変更してはならない。
８ 最高裁判所長官及び副長官、主席裁判官、最高裁判所裁判官、控訴裁判所裁判官又は高等裁判所裁判官の職は、在職者が実質的に存在するときは、廃止されない。