国際金融のトリレンマとEU。
1 YouTubeで学べる時代
最近の高橋洋一先生の動画がおもしろかったのでメモ。・764回 中国の常識は世界の非常識 中央銀行総裁は課長補佐レベル(高橋洋一チャンネル)
・767回 ドイツ原発ゼロに。アホな政策が出来るのはEUがあるから(髙橋洋一チャンネル)
経済学をある程度勉強したことがある人たちが有する、前提知識みたいなものがいくつか存在する。
そういう知識をYouTubeで誰もが学べる時代になったのは、非常に良いことだと思う。
2 国際金融のトリレンマ
まず話の前提として、国際金融のトリレンマなるものが存在することを知っておく必要がある。国際政治経済を理解するのに役立つ、非常にシンプルで覚えやすい理論である。3 ヨーロッパの歴史
第一次世界大戦、そして第二次世界大戦を引き起こしたドイツは、ヨーロッパにおける強国である。その国力の源泉は力強い産業、すなわち近代的な工業力にある。
具体的にはドイツのルール工業地帯は、ドイツ重工業の重要な拠点の一つであった。
重工業が高度に発展した現代において重要なのは、鉄鋼、石炭や石油などのエネルギーである。
ヨーロッパの平和と連帯は、まさにヨーロッパ石炭鉄鋼共同体から始まったのである。
4 最適通貨圏理論
現在のヨーロッパは鉄鋼やエネルギーだけでなく、国家経済の基盤である通貨さえ統合してしまった。ここで思い出してほしいのは、国際金融のトリレンマの図である。
自由主義諸国において資本は自由に移動し、国際経済の状況を反映して為替相場が変動する中で、各国の財務省や中央銀行が財政政策や金融政策を決定する。
本来であれば各国の通貨は、各国それぞれの経済状況を反映して、変動相場の中で通貨高になったり通貨安になったりする。
その渦中で各国政府は、それぞれの国内経済の状況を考慮して、財政政策や金融政策を決定する。
国際経済は世界中の国家の経済や政策の、複雑な相互作用と考えることもできる。
5 ヨーロッパの現状
ドイツはヨーロッパにおける強国である。EUの中には、ドイツよりも相対的に経済力が小さい国がいくつも存在する。
ドイツ一国であったならば通貨高になって国際経済の中で調整されるはずなのに、EUのその他の国々のおかげで通貨安の恩恵を受けることができる。
逆に経済力の小さい国は、本来であれば通貨安になって国際経済の中で調整されるはずなのに、その恩恵を受けることができない状況も発生し得る。
経済力の差が大きい国々がまとまって一つの通貨圏を形成すると、通貨統合前よりも通貨安となる国と通貨高になる国に分かれる。
EU経済の問題の本質の一つとして、エコノミストが共有する前提知識の一つである。
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