R元年度第1回高認物理基礎大問3解説
大問3
問1【仕事、自由落下】
図のようなA、B、Cの方法で、同じ物体を地面から高さ$h$までロープで引き上げる。ただし、滑車はなめらかに回り、物体と斜面の摩擦、滑車とロープの質量は無視できるものとする。A:定滑車を使って引き上げる。
B:定滑車と動滑車を使って引き上げる。
C:斜面を使って引き上げる。
(1)上のA、B、Cの方法でゆっくり引き上げるとき、ロープを引く力がする仕事をそれぞれ$W_{\mathrm{A}}, W_{\mathrm{B}}, W_{\mathrm{C}}$とする。
それらの関係として正しいものはどれか。
C:斜面を使って引き上げる。
(1)上のA、B、Cの方法でゆっくり引き上げるとき、ロープを引く力がする仕事をそれぞれ$W_{\mathrm{A}}, W_{\mathrm{B}}, W_{\mathrm{C}}$とする。
それらの関係として正しいものはどれか。
・$W_{\mathrm{A}} = W_{\mathrm{B}} = W_{\mathrm{C}}$
力の大きさやかかる時間は異なるかもしれないけれど、仕事(同じ物体を地面から高さ$h$まで引き上げる)は同じである。
(2)Aの方法で、高さ$h$まで引き上げた物体を自由落下させたとき、地面に達する直前の速さはいくらか。
ただし、重力加速度の大きさを$g$とする。
・自由落下の速さは$gt$で、落下距離が$h$なので$\dfrac{1}{2}gt^2 = h$
$t^2 = \dfrac{2h}{g}$
$t = \sqrt{\dfrac{2h}{g}}$
よって、地面に達する直前の速さは、$g \times \sqrt{\dfrac{2h}{g}} = \sqrt{\dfrac{2g^2 h}{g}} = \sqrt{2gh}$
(2)Aの方法で、高さ$h$まで引き上げた物体を自由落下させたとき、地面に達する直前の速さはいくらか。
ただし、重力加速度の大きさを$g$とする。
・自由落下の速さは$gt$で、落下距離が$h$なので$\dfrac{1}{2}gt^2 = h$
$t^2 = \dfrac{2h}{g}$
$t = \sqrt{\dfrac{2h}{g}}$
よって、地面に達する直前の速さは、$g \times \sqrt{\dfrac{2h}{g}} = \sqrt{\dfrac{2g^2 h}{g}} = \sqrt{2gh}$
【参考】
・H30年度第1回高認物理基礎大問1解説:https://tanakah17191928.blogspot.com/2023/06/h30_16.html
問2【熱平衡、熱量の保存】
高温の物体と低温の物体を接触させると、高温の物体から低温の物体に熱が移動し、やがて両方の物体の温度が等しくなる。この状態を熱平衡という。このとき、外部との間で熱のやりとりがなければ、一方の物体が失う熱量ともう一方の物体が得る熱量は等しい。このことを熱量の保存という。
問3【比熱】
温度60℃で質量100gの水を、温度25℃で質量2100gの容器に入れたところ、全体の温度が一様に35℃になった。外部との熱のやりとりがないとすると、この容器の比熱(比熱容量)は何$J/(g \cdot K)$か。
ただし、水の比熱を4.2$J/(g \cdot K)$とする。
・この容器の比熱を$c$とすると、$100 \times 4.2\times (60 -35) = 2100 \times c \times (35 - 25)$
$4.2 \times 25 = 210c$
$c = \dfrac{105}{210} = \dfrac{1}{2} = 0.5$
【参考】
・H30年度第2回高認物理基礎大問3解説:https://tanakah17191928.blogspot.com/2023/06/h30_79.html
・令和元年度第1回高認物理基礎過去問解説に戻る。