第142条【裁判官の任期】、第143条【裁判官の解職】、第144条【裁判官の解職手続】
第8編【司法府】
【最高裁判所長官及びその他の裁判官】
第142条 裁判官は、70歳に達したときに退職するものとする。
2 裁判官は、65歳に達したときに、満額の給付金を得て退職することができる。
3 最高裁判所長官及び憲法裁判所長官は、10年を超えない期間在任するものとする。その後も、第1項に従い、最高裁判所又は憲法裁判所の裁判官として引き続き在任することができる。
4 退職した裁判官は、裁判官として任命される資格を有しない。
5 裁判官は、大統領に書面をもって通知することにより、裁判官の職を辞任することができる。
6 裁判官が司法府の役職ではない役職に任命され、その裁判官が就任を希望する場合、裁判官の職を辞任しなければならない。
第143条 裁判官は、以下の事由によって解職されるものとする。
(a)司法府の職務を遂行することができない精神又は身体の障害を有すること。
(b)無能力
(c)重大な不正行為。
(d)破産
第144条 裁判官の解職は、第143条に定める事由に基づき、司法不服審査委員会により、又は司法不服審査委員会に対する不服申立てにより提起することができる。
2 司法不服審査委員会は、裁判官に対する不服が一応立証されたと決定した場合、報告書を大統領に提出するものとする。
3 大統領は、第2項に従って提出された報告書を受領した日から7日以内に、その裁判官の職務を停止し、その停職を司法不服審査委員会に通知するものとする。
4 司法不服審査委員会は、裁判官が第3項に従い停職とされてから30日以内に、以下の事項を行うものとする。
(a)第143条(b)、(c)及び(d)に定める事由に基づき、裁判官に対する事案を審理すること。
(b)第143条(a)に定める事由に基づき、裁判官に対する事案を調査するために、医療従事者の規制を担当する団体と協議した上で、医療委員会を設置すること。
5 司法不服審査委員会が、第143条(b)、(c)及び(d)に定める事由に基づく申立てについて、
(a)立証されなかったと決定した場合、司法不服審査委員会は、裁判官の停職の取消しを大統領に勧告し、大統領は直ちにその停職を取り消すものとする。
(b)立証されたと決定した場合、司法不服審査委員会は、裁判官の解職を大統領に勧告し、大統領は直ちにその裁判官を解職するものとする。
6 第4項(a)に基づく手続きは非公開で行われ、裁判官は、出頭し、審理を受け、及び法律実務家又はその裁判官が選任したその他の者により、代理される権利を有するものとする。
7 第4項(b)に従って設置される医療委員会は、3人以上の登録されている医療従事者によって構成されるものとする。
8 医療委員会は、設置されてから30日以内に、裁判官を検査し、司法府の職務を遂行する能力があるか否かを司法不服審査委員会に報告するものとする。
9 医療委員会が、司法不服審査委員会に対し、
(a)裁判官に司法府の職務を遂行する能力があると報告した場合、司法不服審査委員会は、裁判官の停職の取消しを大統領に勧告し、大統領は直ちにその停職を取り消すものとする。
(b)裁判官に司法府の職務を遂行する能力がないと報告した場合、司法不服審査委員会は、裁判官の解職を大統領に勧告し、大統領は直ちにその裁判官を解職するものとする。
10 第8項による検査を拒否した裁判官は、大統領により直ちに解職されるものとする。