第26条【緊急事態、国家防衛事態及び戒厳令】
第4章【緊急事態、国家防衛事態及び戒厳令】
第26条 国家的な災害が発生した場合、又は国家防衛事態若しくは国家の存亡若しくは憲法の秩序を脅かす緊急事態が発生した場合、大統領は、官報に布告を掲載し、ナミビア又はその一部に緊急事態が存在することを宣言することができる。
2 本条第1項に基づく宣言は、速やかに取り消される場合を除いて、以下の場合にその効力を失うものとする。ただし、その期間が満了する前に、国民議会がその総議員の3分の2以上の多数で可決した決議により承認した場合はこの限りでない。
(a)国民議会が開かれ、又は召集されているときに行われた宣言の場合、宣言の布告後7日を経過したとき。
(b)それ以外の場合は、宣言の布告後30日を経過したとき。
3 本条第4項の規定に従い、本条第2項に基づき国民議会の決議によって承認された宣言は、承認後6か月を経過するまで、又は決議で指定されたそれよりも前の期日まで、引き続き効力を有するものとする。ただし、国民議会は、その総議員の3分の2以上の多数による決議によって、宣言の承認を一度に6か月を超えない期間、延長することができる。
4 国民議会は決議により、いつでも本条に基づき承認された宣言を取り消すことができる。
5(a)本条に基づく緊急事態の間、又は国家防衛事態が存在するとき、大統領は布告により、国家安全保障、公共の安全及び法と秩序の維持のために必要であると思料する規則を制定する権限を有する。
(b)その規則を制定する大統領の権限は、緊急事態を生じさせた状況に対処するために合理的に正当化される期間及び条件に従い、コモン・ロー若しくは法律の規則又はこの憲法が保護する基本的権利若しくは自由の適用を、停止する権限を含むものとする。ただし、本号のいかなる規定も、大統領が第24条の規定に反する行為を行うことを可能にするものではない。
(c)本項(b)に基づく規則が裁判なしの拘束を規定する場合には、司法公務委員会の推薦に基づき大統領が任命する、5人以下の者で構成される諮問委員会の規定も設けるものとする。諮問委員会のうち3人以上は、最高裁判所若しくは高等裁判所の裁判官又はその資格を有する者とする。諮問委員会は、第24条第2項(c)に定める職務を遂行するものとする。
6 本条第5項の規定に従って大統領が作成した規則は、その規則の施行後、国民議会が最初に開かれた日から14日以内に、国民議会の決議によって承認されなければ法的効力を失うものとする。
7 大統領は戒厳令を布告又は解除する権限を有する。戒厳令は、他国が関与する国家防衛状態が存在する場合、又はナミビアにおいて内戦が存在する場合に限り、布告することができる。ただし、戒厳令の布告は、国民議会の総議員の3分の2以上の多数で可決した決議により、相当の期間内に承認されなければ効力を失うものとする。