第29条【任期】、第30条【宣誓又は誓約】、第31条【民事及び刑事訴訟からの免責】
第5章【大統領】
第29条 大統領の任期は5年とする。ただし、任期満了前に死亡若しくは辞任、又は罷免された場合を除く。
2 第57条第1項に規定する状況において国民議会が解散した場合、大統領の任期も満了する。
3 大統領は、憲法違反、重大な国法違反又はその他の、大統領としての威厳及び名誉を保持するのに相応しくない重大な不正行為若しくは無能行為があったことを理由に、国民評議会の総議員の3分の2以上の多数によって承認され、国民議会の総議員の3分の2以上の多数によって弾劾決議が採択された場合、罷免されるものとする。
4 大統領の任期は2期までとする。
5 大統領が死亡若しくは辞任し、又はこの憲法に従って罷免された場合、空位となった大統領職は、その残りの期間、以下のように補われるものとする。
(a)空位が大統領選挙を実施する予定の期日の1年前までに生じた場合、その空位は第34条の規定に従って補われるものとする。
(b)空位が大統領選挙を実施する予定の期日の1年よりも前に生じた場合、その空位が生じた日から90日以内に、第28条の規定に従って大統領選挙を実施し、その選挙が実施されるまでの間、その空位は第34条の規定に従って補われるものとする。
6 大統領が第32条第3項(a)及び第57条第1項に基づき国民議会を解散した場合、90日以内に第28条の規定に従って新たな大統領選挙を実施し、その選挙が実施されるまでの間、大統領は引き続き在任し、第58条の規定が適用されるものとする。
7 本条第4項に基づき大統領に就任した場合、その選挙又は継承により大統領に就任した期間は、本条第3項を適用する上で、任期とはみなさないものとする。
第30条 大統領当選者は、正式に就任する前に、最高裁判所長官、最高裁判所副長官又は最高裁判所長官がこの目的のために指名した裁判官の面前において、以下の宣誓又は誓約を行うものとする。
「私、_______は、ここに(宣誓/厳粛に誓約)します。
ナミビア共和国憲法を最高法規として遵守、保護及び擁護し、ナミビア共和国の法律に忠実に従い、執行及び管理するために全力を尽くして努力します。
ナミビア共和国の独立、主権、領域並びに物質的及び精神的資源を保護します。
ナミビア共和国の全ての住民のために、正義を保障するために全力を尽くして努力します。
(宣誓の場合)
神のご加護を。」
第31条 大統領職にある者又は大統領の職務を遂行する者は、いかなる民事訴訟においても訴えられないものとする。ただし、その訴訟が、大統領としての公的資格によって行われた行為に関する場合を除く。
2 大統領職にある者は、大統領として在任中に行った行為又は不作為に関して、刑事犯罪の嫌疑をかけられ、又は裁判所の刑事裁判管轄権に服することはないものとする。
3 大統領の退任後、
(a)いかなる裁判所も、大統領としての公的資格によって行われた行為に関し、民事訴訟において大統領に対する訴訟を受理することはできない。
(b)民事又は刑事裁判所は、議会が、この憲法に定める理由に基づいて大統領を罷免し、かつ、その訴訟が大統領職の威厳に与える損害にかかわりなく、公共の利益のために正当化されるとして決議を採択した場合に限り、大統領として在任中に個人の資格によって行った行為又は不作為に関して、大統領に対する訴訟を受理する管轄権を有するものとする。