第25条【国家による経済開発】、第26条【民主的計画制度、国家統計地理制度、社会開発政策評価評議会】、第27条【天然資源の国有】

第1編

第1章【人権及び保障】

第25条 国は、国家開発が包括的かつ持続可能であり、国家の主権及び民主的体制を強化し、競争力、経済成長及び雇用の促進、並びに所得及び富の公正な分配を通して、この憲法によって保護される個人、集団及び社会階級の自由及び尊厳の完全な実現を可能にするよう、これを主導する任務を負うものとする。競争力とは、より大きな経済成長を生み出し、投資を促進し、雇用を創出するために必要な一連の条件として理解されるものである。

 国は、経済成長及び雇用に有利な条件を生み出すために、財政及び金融システムの安定を保障するものとする。国家開発計画並びに州及びムニシピオの計画は、この原則を遵守しなければならない。

 国は、国民経済活動を計画、実施、調整及び指導し、この憲法が認める自由の範囲において、一般の利益のために必要な活動を規制及び促進するものとする。

 公共部門、社会部門及び民間部門は、国家開発に寄与するその他の形態の経済活動を損なうことなく、社会的責任をもって国家経済の発展に貢献しなければならない。

 公共部門は、憲法第28条第4段に定める戦略的分野を独占的に担い、連邦政府は、設置される国家機関及び国営生産企業に対する所有権及び支配権を常に維持するものとする。国家の電力系統の計画及び管理、送電及び配電の公共事業、並びに石油及びその他のハイドロカーボンの探査及び採掘に関し、国は、この憲法の第27条第6段及び第7段の規定に基づき、これらの活動を実施する。これらの活動において、法律により、ベストプラクティスに基づき、有効性、効率性、誠実性、生産性、透明性及び説明責任を保障するために、国営生産企業が締結する管理、組織、運営、契約手続及びその他の法律行為、並びに職員の給与体系に関する規則を定め、国営生産企業が実施するその他の活動を定めるものとする。

 また、法律に従い、単独で、又は社会部門及び民間部門と共に、開発の優先分野を振興及び組織するために参加することができる。

 社会的公平性、生産性及び持続可能性の基準の下で、経済の社会部門及び民間部門の企業を支援及び奨励し、生産資源を、公共の利益によって定められる方式に従い、その保全及び環境に配慮して一般の利益のために使用するものとする。

 法律により、社会部門の経済活動の組織化及び拡大を促進するための機構を定めるものとする。:エヒード、労働者組織、協同組合、コミュニティ、労働者が主体的又は独占的に所有する企業、並びに一般に、社会的に必要な財及びサービスの生産、分配及び消費のためのあらゆる形態の社会組織である。

 この法律により、個人の経済活動を奨励及び保護し、民間部門が国家の経済発展に貢献するための条件を整備し、競争力を促進し、この憲法の定める条件の下で、部門別及び地域別の側面を含む、持続可能な産業開発のための国家政策を実施するものとする。

 本条第1段、第6段及び第9段に定める目的の実現に寄与するために、政府の全ての階層の機関は、その権限の範囲において、規則、手続き及びサービスの簡素化、並びにこれに関する一般法の定めるその他の目的のために、規制改革の公共政策を実施するものとする。

第26条
(A)国は、国家の独立並びに政治的、社会的及び文化的民主化のために、経済成長に安定性、ダイナミズム、競争力、永続性及び公平性をもたらす、国家開発のための民主的計画制度を組織するものとする。
この憲法に含まれる国家プロジェクトの目的は、計画の目標を決定することである。計画は民主的かつ審議に基づくものとする。法律の定める参加型の機構を通して、社会の要望及び需要を収集し、開発の計画及びプログラムに反映するものである。国家開発計画を策定し、連邦行政のプログラムは強制的にこれに従うものとする。
この法律は、民主的な国家計画制度における国民の参加及び協議の手続き、並びに開発の計画及びプログラムの策定、実施、管理及び評価の基準を定める権限を、行政府に付与するものである。また、計画プロセスの所管機関を決定し、連邦行政府が連邦構成体の政府との協定を通して調整し、計画の策定及び実施のための行動について個人を誘導し、及びこれと合意するための基盤を定めるものとする。国家開発計画において、産業開発のための国家政策の継続及び必要な修正を、部門別及び地域別に検討するものとする。
民主的かつ審議に基づく計画制度において、連邦議会は法律に従って、これに関与するものとする。

(B)国家は、国家統計地理情報システムを構築し、そのデータは公的なものとする。連邦、連邦構成体、ムニシピオ及びメキシコシティ管轄区域について、このシステムに含まれるデータは、法律の定める条件の下で、強制的に使用されるものとする。
このシステムを規制及び調整する責任は、技術的及び経営的な自治権、並びに法人格及び独自の財産を有し、生成された情報の収集、処理及び公表を規制し、その執行を実現するために必要な権限を有する機関が負うものとする。
この機関に、5人の審議員によって構成される管理審議会を設置し、そのうちの1人が審議会の議長及び機関の長を務めるものとする。その任命は、共和国大統領が元老院の承認を得て、又は元老院が休会中の場合は連邦議会の常任委員会が、これを行うものとする。
法律により、情報へのアクセス性、透明性、客観性及び独立性の原則に従い、国家統計地理情報システムの組織及び職務の基盤、並びに管理審議会の審議員が満たすべき要件、及び任期とそのずらし方を定めるものとする。
管理審議会の審議員は、重大な理由がある場合にのみ解任されるものとし、教育機関、科学機関、文化団体又は慈善団体における無報酬の役職を除いて、その他の雇用、役職又は委員を兼ねることはできない。また、この憲法の第4編の規定に従うものとする。
この機関は、法律の定める条件の下で、連邦法、連邦構成体及び連邦区の法律、並びにこれらから派生する法的規定において、予見される債務及び想定の支払額を決定するための会計単位、指標、基準、尺度又は参照情報として使用される、UMA(Unidad de Medida y Actualización)の値を算出するものとする。
UMAで表示された債務及び想定の金額は確定された金額とみなされ、自国通貨でその相当額を交付することによって決済されるものとする。そのために、この単位で表示された債務又は想定の金額に、対応する日における単位の値を乗じるものとする。

(C)国は、国家社会開発政策評価評議会を設置するものとする。この機関は、法人格及び独自の財産を有し、貧困を計測し、社会開発政策のプログラム、目的、目標及び行動を評価し、法律の定める条件の下で、勧告を行う自治権を有する機関である。その職務の執行のために、連邦、地方及びムニシピオの機関との調整の方式を定めるものとする。
国家社会開発政策評価評議会は、議長1人及び評議員6人によって構成される。評議員は、民間部門及び社会部門、並びに学問及び専門分野で名声が認められ、社会開発の分野で10年以上の経験を有し、いかなる政党にも所属しない、公選の公職の候補者でもないメキシコ市民でなければならない。評議員は、法律の定める手続きに従い、代議院の出席議員の3分の2以上の賛成によって任命される。この任命に対して共和国大統領は、10日以内に異議を申し立てることができる。大統領が異議を申し立てない場合、代議院によって任命された者が評議員に就任する。任期が最長の2人の評議員は、2期目について提案及び承認されない限り、4年毎に交替するものとする。
国家社会開発政策評価評議会の議長は、前段と同様の条件で選出されるものとする。任期は5年とし、その後1期のみ再任することができる。この憲法の第4編の規定によって解任することができる。
国家社会開発政策評価評議会の議長は、年次活動報告書を連邦府に提出する。また、法律の定める条件の下で、議会の両議院に出席するものとする。

第27条 国家の領域内にある土地及び水域の所有権は、そもそも国家にあり、国は、私有財産を構成するこれらの保有権を私人に譲渡する権利を有する。

 収用は、公用の理由により、補償を条件としてのみ行うことができる。

 国は、常に、公共の利益のために、私有財産に対し、その方式を定める権利を有する。また、公共の富を公平に分配し、その保全を保障し、国家の均衡ある発展並びに農村及び都市の住民の生活条件の改善を達成することを目的として、社会の利益のために、利用可能な自然要素の開発を規制する権利を有する。したがって、以下の目的のために、必要な措置を講じるものとする。人間の居住地を整え、土地、水域及び森林の適切な供給、利用、保全及び譲渡先を定め、公共事業を実施し、人口集中地区における基礎、保全、改良及び成長を計画及び規制するため。生態系のバランスを維持及び回復するため。大規模な土地の分割のため。規制法の条件の下で、エヒード及びコミュニティの組織化及び集団的開発を定めるため。小規模な農村財産の開発のため。農村における農業、畜産業、林業及びその他の経済活動の振興のため。社会に不利益をもたらす自然要素の破壊及び財産への損害を防止するため。

 国は、以下の資源に対する直接的な所有権を有する。大陸棚及び諸島棚の全ての天然資源。鉱物又は物質で、鉱脈、マントル、集積物又は鉱床の中にあり、大地の成分とは異なる性質を有する堆積物を構成し、工業に利用される金属及び半金属が抽出される鉱物など。海水によって直接形成される貴石、岩塩及び岩塩鉱床。岩石の分解から生じる生成物で、その採掘に地下坑道が必要なもの。肥料として利用するのに適した鉱物又は有機物の鉱床。固体鉱物の燃料。石油及び全ての固体、液体又は気体の炭化水素。国際法の定める範囲及び条件の下での、国家の領空の空間。

 以下の資源は、国有財産である。国際法の定める範囲及び条件の下での、領海の水域。内陸の水域。永続的又は断続的に海と交わる潟湖及び河口の水域。自然に形成された内陸湖沼で、常流と直結する水域。河川及びその直接又は間接の支流は、最初の常流、断続流又は急流が始まる水路の地点から、 国有財産の海、湖沼、潟湖又は河口に流入するまで。常流又は断続流及びその直接又は間接の支流は、その水路の全部又は一部が、国家の領土若しくは2つの連邦構成体の境界となる場合、1つの連邦構成体から他の連邦構成体へ通過する場合、又は共和国の分水嶺を越える場合。湖沼、潟湖又は河口で、その流域、区域又は岸が、2つ以上の連邦構成体若しくは共和国及び隣国の境界を横断する場合、又は岸の境界が2つの連邦構成体若しくは共和国及び隣国の境界となっている場合。国有財産である海岸、海域、湖沼、潟湖又は河口の水路、流域又は岸から湧出する泉、及び鉱山から採取される水。法律の定める範囲の湖沼及び内陸河川の水路、河床又は岸。地下水は、人工物によって自由に照らし、土地の所有者が自由に利用することができる。ただし、公共の利益のために必要な場合、又は他の利用に影響を与える場合、連邦行政府は、その他の国有水域と同様に、その取水及び利用を規制し、さらに閉鎖区域を設定することができる。前述の列挙に含まれないその他の水域は、その水域が流れる土地、又はその水域に堆積物がある土地の所有権の不可分の一部とみなされる。ただし、その水域が2つ以上の土地に存在する場合、その水域の開発は公共の利益とみなされ、連邦構成体の定める規定に従うものとする。

 前2段に規定される場合、国家の所有権は不可譲かつ不可侵であり、個人又はメキシコの法律に基づいて設立された会社によるこれらの資源の採掘、利用又は開発は、法律の定める規則及び条件に従い、連邦行政府が付与する権益によってのみ実施することができる。ただし、放送及び通信については、連邦電気通信機構がこれを付与するものとする。第4段に規定する鉱物及び物質の採掘のための工事又は作業に関する法規は、その権益の付与日にかかわらず、その有効期間から実施及び検証を規制し、これを遵守しない場合、権益の取消しを生じるものとする。連邦政府は、国定保護区を設置及び廃止する権限を有する。関連する宣言は、法律の定める場合及び条件の下で、行政府が行うものとする。放射性鉱物については、権益を付与することはできない。国家の電力系統の計画及び管理、並びに送電及び配電の公共サービスは、国が独占的な権限を有する。これらの事業について、権益を付与することはできない。ただし、国は、法律の定める条件の下で、私企業と契約を締結し、これにより、私企業は電気事業のその他のサービスに参入することができるものとする。

 地下の石油及び固体、液体又は気体のハイドロカーボンについては、国家の所有権は不可譲かつ不可侵であり、権益を付与することはできない。国家の長期的発展に寄与する国家収入を獲得するために、国は、規制法の条件の下で、国営生産企業への譲渡、又は国営生産企業若しくは私企業との契約を通して、石油及びその他のハイドロカーボンの採掘及び採取活動を実施するものとする。このような譲渡又は契約の目的を達成するために、国営生産企業は私企業と契約することができる。いずれの場合においても、地中のハイドロカーボンは国家の所有物であり、その旨を譲渡又は契約に明記しなければならない。

 また、原子力エネルギー生成のための核燃料の開発及びその他の目的への使用の規制も、国家の任務である。原子力の利用は平和目的のみとする。

 国は、領海の外側及びこれに隣接する排他的経済水域において、議会法の定める主権的権利及び管轄権を行使するものとする。排他的経済水域は、領海を測定する基線から200海里の範囲まで及ぶものとする。その範囲が他国の排他的経済水域と重なる場合、それぞれの水域の境界画定は、その国との協定によって必要な限度で実施するものとする。

 国有の土地及び水域の所有権を取得する能力は、以下の規定に従うものとする。:
(I)出生又は帰化したメキシコ人及びメキシコの会社のみが、土地、水域及びその権益の所有権、又は鉱山若しくは水域の採掘権を取得する権利を有する。国は、外国人に対しても同様の権利を付与することができる。ただし、外国人は、外務省において、その財産に関して国民とみなされ、自国政府の保護を求めないことに同意することを条件とする。これに従わなかった場合、これによって得た財産を没収し国庫に資するという罰則を科すものとする。外国人は、国境に沿って100キロメートル、岸に沿って50キロメートルの範囲内においては、いかなる理由があっても、土地及び水域に対する直接の所有権を取得することはできない。国は、国内の公共の利益及び互恵主義の原則に従い、外務省の裁量で、外国に対し、連邦政府の恒久的な居住地において、大使館又は公使館の直接の業務に必要な不動産の所有権を取得する権限を付与することができる。
(II)第130条及びその規制法に基づき設立された宗教団体は、規制法の定める要件及び制限の下で、その目的に不可欠な財産を独占的に取得、所有又は管理する能力を有する。
(III)慈善団体は、公的又は私的にかかわらず、その目的が困窮者の救済、科学研究、教育の普及、会員の相互扶助、又はその他の適法な目的である場合、規制法の規定に従い、その目的に必要不可欠な範囲を超える不動産を取得することはできない。
(IV)商事会社は、その目的を達成するために必要な範囲に限り、農村の土地を所有することができる。
この種類の会社は、いかなる場合においても、農業、畜産業又は林業活動専用の土地を、本条(XV)に規定する制限の25倍に相当する面積を超えて所有することはできない。規制法により、この会社の資本構成及び最低出資者数を規制し、会社が所有する土地が、各出資者との関係で少額所有の限度を超えないようにするものとする。この場合、農村の土地に相当する個々の株式所有権は、算定上、累積されるものとする。また、法律により、その会社に対する外国人の参加の条件を定めるものとする。
この法律により、本項の規定を遵守するために必要な登録及び管理の方法を定めるものとする。
(V)信用機関法に基づいて正式に認可された銀行は、この法律の規定に従い、都市及び農村の不動産に課される資本金を保有することができる。ただし、直接的な目的に最低限必要な範囲を超える不動産を所有又は管理することはできない。
(VI)連邦構成体及び共和国全土のムニシピオは、公共サービスに必要なあらゆる不動産を取得及び所有する完全な能力を有するものとする。
連邦法及びそれぞれの管轄区域における連邦構成体の法律により、私有財産の占有が公共の利益のために行われる場合について定めるものとする。行政機関は、その法律に従い、関連する宣言を行うものとする。収用された物件の補償として確定される価格は、その所有者が申告したものであるか、又はその所有者がそれに基づいて租税を納付しているために、単に黙認されたものであるかを問わず、法務局又は税務署において資産価格として表示されている金額に基づいて算定されるものとする。譲渡日以降に発生した改良又は劣化による私有財産の増価又は減価は、専門家の判定及び司法判断に委ねられるものとする。賃貸事務所で、価格が確定していない物件の場合も同様とする。
本条の規定により、国家が権限を有する行為の執行は、司法手続によって行われるものとする。ただし、この手続き及び関連する裁判所の命令は最長1か月以内に発行され、これによって行政機関は、その土地又は水域及び全ての付属物の占有、管理、競売又は売却を直ちに開始するものとする。いかなる場合も、強制執行可能な判決が言い渡される前に、その機関によって実施された行為を取り消すことはできない。
(VII)エヒード及びコミュニティ居住区の法人格は認められ、その土地の所有権は、居住及び生産活動のために保護されるものとする。
法律により、先住民族の土地の完全性を保護するものとする。
法律により、エヒード及びコミュニティの共同生活の尊重及び促進に配慮し、人間が定住するための土地を保護し、共同利用の土地、森林及び水域の開発、並びに住民の生活水準を向上させるために必要な開発行為の実施を規制するものとする。
この法律により、生産資源の利用において最も適した条件を採用するエヒード及びコミュニティの構成員の意思を尊重し、土地に対するコミュニティ及びエヒードの構成員の権利の行使を規制する。また、エヒードびコミュニティの構成員が相互に、又は国家若しくは第三者と協力し、土地の使用を許可するための手続きも定めるものとする。エヒードの構成員の場合、その土地の権利を居住区の構成員の間で譲渡する。同様に、エヒード総会がその土地の所有権を、エヒードの構成員に付与するための要件及び手続きも定めるものとする。土地の所有権を放棄する場合、法律の定める優先権が尊重される。
同一居住区内では、いかなるエヒードの構成員も、エヒード全体の土地の5%相当を超える土地を所有することはできない。いかなる場合においても、単独のエヒードの構成員に有利な土地の所有権は、(XV)に定める制限に従わなければならない。
総会は、エヒード又はコミュニティの居住区の最高機関であり、法律の定める組織及び職務を有する。法律に基づいて民主的に選出されたエヒード委員会又は共同財産委員会は、居住区の代表機関であり、総会の決議を執行する責任を負うものとする。
居住区への土地、森林又は水域の返還は、規制法に基づいて行われるものとする。
(VIII)以下の事項は無効とする。:
 (a)1856年6月25日の法律及びその他の関連する法規の規定に反して、政治的首長、州知事又はその他の地方機関によって行われた、町、集落、集会所又はコミュニティに属する土地、水域及び山地の全ての譲渡。
 (b)以下の全ての権益。:1876年12月1日からこれまでに、開発、財政又はその他の連邦機関の長官によって行われた土地、水路及び山地の分割又は売却で、町、集落、集会所又はコミュニティに属するエヒード、共同分配又はその他の種類の土地、及び居住区の侵略又は不法占拠。
 (c)前号に規定する期間中に、会社、裁判官又は州若しくは連邦のその他の機関によって行われた、全ての測量又は区画手続、取引、譲渡又は競売で、エヒードの土地、水域及び山地、共同分配又はその他の種類の、居住区に属する土地の侵略又は不法占拠。
1856年6月25日の法律に従って行われた分割行為によって所有権を取得し、10年以上自己の名義で所有している土地で、その面積が50ヘクタールを超えないものに限り、前述の無効を免除するものとする。
(IX)居住区の近隣住民の間で正統性を装って行われた分割又は分配であって、過誤又は悪意があったものは、分割された土地の4分の1を所有する近隣住民の4分の3、又はその土地の4分の3を所有する近隣住民の4分の1が請求した場合、無効とすることができる。
(X)【削除】
(XI)【削除】
(XII)【削除】
(XIII)【削除】
(XIV)【削除】
(XV)メキシコ合衆国では、ラティフンディオを禁止する。
小規模農地とは、灌漑若しくは天水による耕作地又はこれに相当するその他の土地の面積が、1人当たり100ヘクタールを超えないものを意味する。
等価性の観点から、灌漑地1ヘクタールは、天水地2ヘクタール、良質な牧草地4ヘクタール、森林、山林又は乾燥牧草地8ヘクタールとして計算する。
また、綿花栽培のために灌漑を行う場合、1人当たり150ヘクタールを超えない面積は小規模農地とみなす。バナナ、サトウキビ、コーヒー、エネケン、ゴム、ヤシ、ブドウ、オリーブ、キナ、バニラ、カカオ、アガベ、ノパル又は果樹を栽培する場合は300ヘクタールとする。
小規模牧畜地とは、法律の定める条件の下で、その土地の飼養能力に応じ、500頭までの大型家畜又はこれに相当する小型家畜を維持するのに必要とする、1頭当たりの面積を超えないものを意味する。
小規模牧畜地の所有者が行った灌漑、排水又はその他の工事によって地質が改良された場合、法律の定める要件を満たす限り、その改良によって本項に規定する上限を超えたとしても、その土地は引き続き小規模牧畜地とみなされる。
小規模牧畜地内の土地に改良が施され、その土地が農業用に使用される場合、この目的に使用される面積は、その場合に応じて、改良前にその土地が有していたであろう地質に相当する、本項第2段及び第3段に規定する上限を超えることはできない。
(XVI)【削除】
(XVII)連邦議会及び各州議会は、それぞれの管轄区域において、本条(IV)及び(XV)に規定する上限を超える超過分の分割及び譲渡の手続きを定める法律を制定するものとする。
超過分は、その通知の日から1年以内に、所有者によって分割及び譲渡されなければならない。期限までに超過分が譲渡されなかった場合、公売によって売却されるものとする。その他の条件が同じであれば、規制法の定める優先権が尊重される。
地方の法律により、家族の遺産を整理し、これを構成する財産を決定するものとする。その財産は不可侵であり、差押え又は課税の対象とはならない。
(XVIII)1876年以降に旧政府が行ったあらゆる契約及び権益は、国家の土地、水域及び自然の富を一個人又は一企業に独占させるものであり、連邦行政府は、公共の利益に重大な損害が生じる場合、その無効を宣言する権限を有する。
(XIX)この憲法に基づき、国は、エヒードの土地、共有地及び小規模農地の所有権の法的保障を目的として、農地裁判の迅速かつ誠実な運営のための措置を講じ、農民の法律相談を支援するものとする。
その由来にかかわらず、2つ以上の居住区の間で係争中又は発生したエヒードの土地及び共有地の境界に関するあらゆる問題、並びにエヒード及びコミュニティの土地所有権に関する問題は、連邦の管轄とする。この目的のために、また一般的に農地裁判の運用のために、法律により、自治権及び完全な管轄権を有する裁判所を設置する。この裁判所は、連邦行政府が提案し、元老院又はその休会中は常任委員会が任命する裁判官によって構成されるものとする。
法律により、農地裁判のための機関を設置するものとする。
(XX)国は、雇用を創出し、農民の福祉を保障し、農民が国家開発に参加し、これに組み込まれることを目的として、総合的な農村開発の条件を整備し、インフラ整備、資材投入、融資、訓練及び技術支援により、土地の最適な利用のための農林業活動を促進する。また、農業生産、その産業化及び商業化を公共の利益とみなし、これを計画及び組織化するための規制法を制定するものとする。
前段に規定する総合的かつ持続可能な農村開発は、国家が法律の定める基本的食糧の十分かつ適時の供給を保障することもその目的とするものである。

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