第75条【議会の任務】、第76条【行政府への立法権の委任】
第2編【国家機関】
第1章【連邦政府】
第1節【立法府】
第4款【議会の権限】
第75条 議会は、以下の責任を負うものとする。:(1)税関に関する法律を制定すること。輸入及び輸出の関税を定め、その評価額を全国的に統一すること。
(2)州と共同で所管する間接税を課すこと。国家の防衛、共同の安全保障及び一般的な利益のために必要な場合に、一定の期間、全国で比例的に均等な直接税を課すこと。本項に規定する租税は、特別な使途が定められた租税の一部又は全部を除いて、共同で徴収できるものとする。
国と州の合意に基づく協定法により、この租税の共同徴収制度を整備し、送金の自動性を保障するものとする。
国、州及びブエノスアイレス市並びにそれらの間の配分は、客観的な配分基準を考慮し、その能力、サービス及び職務との直接的な関連性によって行うものとする。公平かつ共同で、全国的に均等な発展、生活の質及び機会の平等を達成することを優先するものとする。
協定法は、元老院が発議し、各議院の総議員の絶対多数決によって承認するものとする。一方的な修正又は規制は認められず、その州の承認を得なければならない。
権限、サービス又は職務を移譲する場合、議会法又はその州若しくはブエノスアイレス市による承認を得て、その財源を再配分しなければならない。
連邦監査機関は、法律の規定に従い、本項の規定の執行の管理及び監査を所管する。その構成において、全ての州及びブエノスアイレス市の代表を保障するものとする。
(3)各議院の総議員の絶対多数決によって承認された特別法により、特定の期間、共同で徴収できる財源の特別な配分を決定及び修正すること。
(4)国家の信用を担保に借入れを行うこと。
(5)国有地の使用及び譲渡を決定すること。
(6)通貨発行権を有する連邦銀行及びその他の国立銀行を設立及び規制すること。
(7)国内及び対外債務の支払いを行うこと。
(8)本条第2項第3段に規定する基準に従い、政府の一般プログラム及び公共投資計画に基づき、国家行政の一般歳出予算及び歳入予算を毎年編成すること。また、投資会計を承認又は否決すること。
(9)収入不足の州に対して、予算に基づいて国庫から補助金を交付し、その経常経費を賄うこと。
(10) 国内の河川の自由航行を規制し、適切と認められる港を開港し、税関を新設又は廃止すること。
(11)通貨に印を押し、その価値及び外国為替を定めること。また、全国一律の度量衡制度を採用すること。
(12)民法、商法、刑法、鉱業法、労働法及び社会保障法を、統合して、又は単独で制定すること。そのような法典は地方の管轄権を変更することなく、その適用は、物又は人がその管轄権に属するか否かに応じて、連邦又は州の裁判所が責任を負うものとする。特に、自然国籍の原則に従い、アルゼンチン人の利益のために選択による、帰化及び国籍に関する全国共通の一般法を制定する。また、破産、現行通貨及び国の公文書の偽造、並びに陪審員裁判の整備に必要な法律を制定するものとする。
(13)諸外国との貿易、及び州間の交易を規制すること。
(14)国の一般郵便を決定及び整備すること。
(15)国の領域の範囲を確定的に定め、州の領域を定め、新たな州を創設し、特別法により、州に割り当てられた領域外の国の領域を管轄する組織、行政及び政府を定めること。
(16)国境の警備を行うこと。
(17)アルゼンチンの先住民族の民族的及び文化的な先住性を認めること。
そのアイデンティティの尊重、並びにバイリンガル教育及び異文化教育を受ける権利を保障する。そのコミュニティの法人格、並びに伝統的に占有してきた土地の共同所有及びその権利を承認する。また、人間の発達のために適切かつ十分なその他の土地の提供を定める。いかなる土地も、譲渡、移転、課税又は差押えの対象とはならない。天然資源、及び先住民族に影響を与えるその他の利益に関して、その経営への参加を保障する。州はこれらの権限を共同で行使することができる。
(18)一般教育及び大学教育の計画を定め、産業、移民、鉄道及び運河の建設、国有地における植民、新しい産業の導入及び創設、外国資本の導入、並びに国内の河川の探査を促進し、これらの目的を保護する法律、並びに一時的な特権の付与及びインセンティブとなる報酬により、国の繁栄、全ての州の発展及び福祉、並びに啓蒙の進展を図ること。
(19)人間の発達、社会正義に基づく経済の発展、国民経済の生産性、雇用の創出、労働者の職業訓練、通貨価値の防衛、並びに科学技術の研究及び開発、並びにその普及及び利用を図ること。
国及び国内人口の調和の取れた成長を促し、州と地域の相対的に不均等な発展の均衡を図るために、それぞれ異なる政策を推進する。その立法のために、元老院が発議するものとする。
教育の組織及び基礎に関する法律を制定し、州及び地方の特殊性を尊重して、国民統合を強化すること。国の委譲することができない責任、家庭及び社会の参加、民主的価値の促進、並びに差別のない平等な機会及び可能性を保障する。また、無償かつ公平な公教育の原則、並びに国立大学の自治及び独立性を保障するものとする。
文化的アイデンティティ及び多元性、著作者による作品の自由な創作及び流通、芸術的な遺産、並びに文化的及び視聴覚的な空間を保護する法律を制定するものとする。
(20)最高司法裁判所に従属する下級裁判所を設置し、役職を設置及び廃止し、その権限を定め、年金を支給し、栄典を定め、一般的な恩赦を与えること。
(21)共和国大統領又は副大統領の辞任理由を承認又は否認し、新たな選挙の実施を宣言すること。
(22)他国及び国際機関と締結した条約、並びに教皇庁とのコンコルダートを承認又は否認すること。条約及びコンコルダートは法律に優先するものとする。
人の権利及び義務に関する米州宣言、世界人権宣言、米州人権条約、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約及びその選択議定書、集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約、並びに児童の権利に関する条約は、その効力を有する条件の下で、憲法上の地位を有し、この憲法の第1編の条項を損なうことなく、この憲法の認める権利及び保障を補完するものと解釈されるものとする。これらの廃止は、各議院の総議員の3分の2以上の事前の承認を得て、国の行政府のみが行うことができる。
その他の人権に関する条約は、議会で承認された後、憲法上の地位を得るために、各議院の総議員の3分の2以上の賛成を必要とするものとする。
(23)特に子ども、女性、高齢者及び障害者に関して、機会及び待遇の実質的平等、並びにこの憲法及び有効な国際人権条約によって認められる権利の完全な享受及び行使を保障する、アファーマティブ・アクションを立法化し、推進すること。
妊娠期から初等教育終了までの身寄りのない子ども、並びに妊娠期及び授乳期の母親を保護するための、特別かつ包括的な社会保障制度を整備すること。
(24)相互主義及び平等の条件の下で、超国家的な組織に権限及び管轄権を移譲し、民主的秩序及び人権を尊重する統合条約を承認すること。この結果として定められる規定は、法律に優先するものとする。
ラテンアメリカ諸国とのこれらの条約の承認は、各議院の総議員の絶対多数決によらなければならない。その他の国との条約の場合、国民議会は、各議院の出席議員の絶対多数決により、その条約の承認の是非を宣言するものとする。その宣言から120日を経過した後に、各議院の総議員の絶対多数決によって承認することができる。
本項に規定する条約の破棄は、各議院の総議員の絶対多数決による事前の承認を必要とするものとする。
(25)宣戦布告又は講和を行う権限を行政府に付与すること。
(26)敵国財産の押収を命令し、押収した財産に関する規則を定める権限を行政府に付与すること。
(27)平時及び戦時に軍隊を創設し、その組織及び運営に関する規則を制定すること。
(28)外国の軍隊の領域内への進入、及び自国の軍隊の領域外への進出を許可すること。
(29)内乱が発生した場合、国の1つ又は複数の地域に戒厳令を宣言し、休会中に行政府によって宣言された戒厳令を承認又は停止すること。
(30)首都の領域内において専権事項に関する立法権を行使し、共和国国内の国営施設の特定の目的を達成するために必要な法律を制定すること。州及びムニシピオの当局は、その目的の達成を妨げない範囲内で、これらの施設に関する警察権及び課税権を保持するものとする。
(31)州又はブエノスアイレス市への連邦の介入を命じること。
休会中に行政府が命じた介入を承認又は取り消すものとする。
(32)前述の権限、及びこの憲法によってアルゼンチン国政府に付与されるその他の全ての権限を行使するために必要な、あらゆる法律及び規則を制定すること。
第76条 行政府に対する立法権の委任は禁止される。ただし、行政又は緊急事態に関する特定の事項について、その行使の期間を定め、議会が定める委任の基準の範囲内である場合を除く。
前段に規定する期間の経過による失効は、立法権の委任の結果として制定された規則に関する、アンパロ裁判から生じた法律関係の再審を伴わないものとする。
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