第180条【最高裁判所】、第181条【憲法裁判所】、第182条【会計検査院】、第183条【最高軍事裁判所】、第184条【最高司法裁判官会議】
第4編【国家の権力機関】
第4章【司法権】
第2節【裁判所】
第180条 最高裁判所は、普通裁判管轄の最高司法機関である。2 最高裁判所の参事裁判官は、最高司法裁判官会議の推薦により、法律の定める条件の下で、司法裁判官、検察官及び実績のある法律家の中から課程上の競争試験を経て、共和国大統領が任命する。
3 最高裁判所長官及び副長官は、在職中の参事裁判官の3分の2によって選出された3人の候補者の中から、共和国大統領が任命する。
4 最高裁判所長官及び副長官の任期は7年とし、再任することはできない。
5 最高裁判所の構成、組織、権限及び運営は、法律によって定めるものとする。
第181条 憲法裁判所は一般的に、憲法及び法律に従い、憲法制定法の性質を有する問題について司法を執行する権限を有する。
2 憲法裁判所は、以下の権限を有する。:
(a)国の規則及びその他の行為の合憲性を審査すること。
(b)議会法の合憲性を予防的に審査すること。
(c)憲法及び法律に基づき、憲法制定法、選挙及び政党政治に関するその他の問題について裁判権を行使すること。
(d)違憲であることを理由に規則の適用を拒否した他の裁判所の判決の合憲性を、上訴において審査すること。
(e)訴訟中に合憲性の問題が提起された規則を適用する他の裁判所の判決の合憲性を、上訴において審査すること。
3 憲法裁判所は、法律家及び裁判官の中から以下の方法で任命される11人の参事裁判官によって構成される。:
(a)共和国大統領が任命する、長官を含む4人の裁判官。
(b)国民議会が、在任中の国民議会議員の3分の2以上の賛成によって選任する、副長官を含む4人の裁判官。
(c)最高司法裁判官会議が選任する2人の裁判官。
(d)法律に基づき、課程上の公開競争試験によって選出される1人の裁判官。
4 憲法裁判所の裁判官の任期は1期7年とし、再任することはできない。他の裁判所の裁判官と同様に、独立性、解任不可、公平性及び無答責の保障を享受する。
第182条 会計検査院は、財政の適法性を監査し、法律上管轄権を有する会計を審査する最高機関である。
2 会計検査院の院長、副院長及びその他の参事裁判官は、裁判官及びそれ以外の者の中から共和国大統領が任命する。その任期は1期7年とする。
3 会計検査院の構成、組織、権限及び運営は、法律によって定めるものとする。
第183条 最高軍事裁判所は、軍事裁判所の階層における最高機関である。
2 最高軍事裁判所の長官、副長官及びその他の参事裁判官は、軍事裁判官の中から共和国大統領が任命する。
3 最高軍事裁判所の構成、組織、権限及び運営は、法律によって定めるものとする。
第184条 最高司法裁判官会議は、司法裁判官の管理及び懲戒についての最高機関であり、一般に以下の事項を行う。:
(a)職務上の実績を評価し、司法裁判官に対する懲戒処分を行うこと。
(b)憲法及び法律に基づき、憲法裁判所の裁判官を任命すること。
(c)司法業務に関する調査、検査及び研究を命じ、その効率化及び改善に必要な措置を提案すること。
(d)最高裁判所の参事裁判官の任命を推薦すること。
(e)憲法及び法律に基づき、司法裁判官の任命、配置、異動及び昇任を行うこと。
(f)会計検査院の裁判官を補充するための課程上の競争試験を実施すること。
(g)予算案を行政府に提出し、国家の一般予算の審議及び編成過程において普通裁判所を代表すること。
(h)憲法及び法律に基づき、普通裁判所の予算執行を監督すること。
(i)普通裁判所の職員を管理すること。
2 最高司法裁判官会議は、最高裁判所長官が主宰し、以下の会議員によって構成される。:
(a)共和国大統領が任命する3人の法律家で、そのうち1人以上は司法裁判官とする。
(b)国民議会が任命する5人の法律家。
(c)司法裁判官の互選による10人の裁判官。
3 憲法裁判所、会計検査院及び最高軍事裁判所の長官は、最高司法裁判官会議に常任会議員として出席する。発言権を有するが、投票権は有しない。
4 第2項(a)、(b)及び(c)の最高司法裁判官会議の会議員の任期は5年とし、法律に従って1度更新することができる。
5 最高司法裁判官会議の会議員は、最高裁判所の裁判官に付与される免責を享受する。
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