第30条【生命に対する権利】、第31条【人間の健全性に対する権利】、第32条【アイデンティティ及びプライバシーの権利】、第33条【住居の不可侵】、第34条【通信及びコミュニケーションの不可侵】、第35条【家族、婚姻及び親子関係】
第2編【基本的な権利及び義務】
第2章【基本的な権利、自由及び保障】
第1節【個人及び集団の権利及び自由】
第30条 国は、不可侵である人間の生命を尊重及び保護する。第31条 人間の精神的、知的及び身体的な完全性は不可侵である。
2 国は人間及びその尊厳を尊重及び保護する。
第32条 個人のアイデンティティ、市民権、国籍、名声及び名誉、肖像、言論並びに私生活及び家庭生活のプライバシーに対する権利は、全ての人に認められる。
2 法律により、濫用的であるか人間の尊厳に反するものであるかにかかわりなく、個人及び家族に関する情報の取得及び使用に対する実効的な保障について定めるものとする。
第33条 住居は不可侵である。
2 何人も、憲法及び法律の定める場合を除いて、個人の承諾なしに、その住居に立ち入り、捜索又は押収を行うことはできない。法律の定める条件及び方法に従って発行された管轄当局の令状を所持する場合、現行犯の場合又は緊急事態が発生し、援助を提供する場合である。
3 法律により、管轄当局が住居への立入り、物品、文書又はその他の物の捜索及び押収を命じることができる場合について定めるものとする。
第34条 通信及びその他の私的なコミュニケーション手段、すなわち郵便、電信、電話及びテレマティクスの秘密は不可侵である。
2 公権力は、法律に従い、管轄の司法当局の決定によってのみ、通信及びその他の私的なコミュニケーション手段を傍受することができる。
第35条 家族は、社会組織の基本的な中核であり、国家による特別な保護の対象である。男性と女性の間の婚姻又は事実婚に基づくものとする。
2 全ての人は、憲法及び法律に従い、自由に家庭を築く権利を有する。
3 男性と女性は、家族、社会及び国家において平等であり、同等の権利を享受し、同等の義務を負う。
4 法律により、婚姻及び事実婚の要件及び効力並びにその解消について定めるものとする。
5 子どもは法の下に平等である。子どもに対する差別及び親子関係に関する差別的呼称の使用は禁止される。
6 子どもの権利の保護、すなわち子どもの総合的で調和ある養育並びにその健康、生活条件及び教育の保護は、家族、国家及び社会の絶対的な優先事項である。
7 国は、家族及び社会の協力を得て、青少年の調和ある総合的な発達を促進する。青少年の政治的、経済的、社会的及び文化的な権利を実現するための条件を整備し、青少年の団体が経済、文化、芸術、レクリエーション、スポーツ、環境、科学、教育、愛国心及び青少年の国際交流に関する目的を追求することを奨励するものとする。
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