第139条【地方分権団体の自治権、市民参加、市民の多様性及び特殊性の保障、公的領域及び私的領域、国有地】、第140条【地方分権団体の規制権、国による保障、調和ある発展、開発後進地域の振興】、第141条【治安、民間防衛、行政、地域計画、経済開発、環境保全及び生活基盤の改善、国と地方の権限分担】、第142条【地方分権団体の財政自治権、予算の編成及び管理】、第143条【コミューン、地域圏及び州、地方分権団体の新設及び区画】、第144条【地方分権団体の議会及び行政】、第145条【地方分権団体における国の代表】、第146条【国と地方分権団体の権限、財源及び公共サービスの配分】、第147条【地方分権団体の財源】
第5編【地方組織】
第1章【総則】
第139条 地方分権団体は、法人格並びに行政的及び財政的な自治権を有し、公務の運営に市民が実効的に参加するための制度的枠組みを構成し、その多様性及び特殊性の表現を保障する。公的領域及び私的領域で構成される財産を所有し、法律によって定めるものとする。
空き地及び所有者がいない土地は国有地を構成する。
第140条 地方分権団体は規制権限を有する。
国は、地方分権団体の規制が他の地方分権団体の利益に影響を及ぼさないよう保障する。
国は、国民の連帯、地域の潜在的な能力及び地域間の均衡を基礎として、平準化機構を通して、全ての地方分権団体の調和ある発展を保障する。
開発後進地域の発展を促進するために、特別連帯基金の創設を含む、特別措置を講じるものとする。
第141条 地方分権団体は、国の支援を受けて、特に公共の安全、民間防衛、行政、地域計画、経済開発、環境保全及び生活基盤の改善に責任を負う。
これらの分野において、法律により、国益及び地方益を考慮して権限の配分を決定するものとする。
第142条 地方分権団体は財政自治権を享受する。
財政管理に適用される原則に従い、予算を編成及び管理する。
地方分権団体の予算は、多様な種類の財源から収入を得るものとする。
第143条 共和国の地方分権団体は、コミューン、地域圏及び州とする。
地方分権団体の新設及び区画は、地理的、経済的、社会的及び文化的な同質性の基準を満たさなければならない。これらは法律によって決定するものとする。
第144条 地方分権団体は議会によって自由に運営される。議会はその決議により、この憲法及び法律によって委ねられる事項を規制する。
その決議は憲法、法律又は規則の規定に反してはならない。
第145条 地方分権団体における国の代表は、法律によって定めるものとする。
第146条 国は、以下の措置を講じる義務を負う。:
・国と地方分権団体の間の権限の配分。
・国と地方分権団体の間の財源の配分。
・国と地方分権団体の間の公共サービスの分担。
第147条 地方分権団体の財源には、特に以下のものが含まれる。
・租税収入。その議会によって議決され、地方分権団体の予算のために直接徴収される。法律により、地方分権団体の租税及び国の全体的な租税負担を考慮して、これらの租税の性質及び最高税率を決定するものとする。
・国の予算のために徴収される租税収入から返還される正当な交付金。この割合は、徴収時に自動的に差し引かれる。地方分権団体の全体的及び個別的な負担を考慮して、国家の全領域の地方分権団体の間の均衡ある経済的及び社会的な発展を保障する割合に従い、法律によって決定するものとする。
・補助金収入。各地方分権団体の特殊な状況を考慮して、又は地方分権団体のために国が決定し、当該団体が実施するプログラム又はプロジェクトによって発生する支出を補償するために、国の予算によって地方分権団体の全て又はそれぞれに割当又は非割当として交付するものとする。
・返還不要の対外支援金及び地方分権団体への寄付金からの収入。
・財産からの収入。
・法律によって融資条件を定める借入金。
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