第45条【国家元首、大統領選挙、任期、再選、任務】、第46条【被選挙権、現職大統領が立候補する場合の代行者、選挙宣伝のための職権濫用の禁止】、第47条【大統領選挙の期日及び手続き】、第48条【大統領の宣誓及び就任】、第49条【兼任及び兼職の禁止】、第50条【一時的職務不能の場合の手続き】、第51条【高等憲法裁判所による職務不能についての決定】、第52条【高等憲法裁判所による大統領職空位の宣言】、第53条【大統領職空位による選挙】
第3編【国家組織】
第1章【行政府】
第1節【大統領】
直接普通選挙によって選出され、任期は5年とし、1度限り更新することができる。
その仲裁を通して、公権力の正常かつ継続的な運営、国家の独立及び領域保全を保障する。国家主権が国内外において擁護及び尊重されるよう保障する。国民統合を保障する。
共和国大統領は、この憲法によって付与される権限の範囲内で、これらの任務を遂行する。
第46条 共和国大統領職の候補者は、マダガスカル国籍を有し、市民的及び政治的な権利を享受し、立候補の締切日に35歳以上であり、立候補の締切日の6か月以上前からマダガスカル共和国内に居住していなければならない。
大統領選挙に立候補する現職の共和国大統領は、大統領選挙期日の60日前に辞任しなければならない。この場合、元老院議長は、新大統領が就任するまで大統領の権限を行使する。
元老院議長が立候補した場合、国家元首の職務は政府が合議制で執行する。
公務を執行する者又は機関内で職務を遂行する者で、大統領選挙の候補者である者が、その職務によって自由に利用できる手段又は特権を選挙宣伝のために用いることは禁止する。高等憲法裁判所によって認定された違反は、立候補の取消事由となる。
第47条 共和国大統領の選挙は、現職大統領の任期満了の30日以上前から60日前までに実施される。
この憲法の第52条及び第132条に規定する場合、この期間は、高等憲法裁判所が空位を認定した後に開始する。
選挙は、最初の投票における絶対多数決による。これが成立しなかった場合は、2回目の投票で、最初の投票における最多得票の2人の候補者の中から、過半数の票を獲得した者が共和国大統領に選出される。2回目の投票は、最初の投票結果の公示後30日以内に行うものとする。
投票前に候補者が死亡した場合、又は高等憲法裁判所が正式に認定する不可抗力の事態が発生した場合、選挙は、組織法の定める条件及び手続きに従い、新たな期日に延期するものとする。
選挙に立候補しない現職大統領は、第48条に規定する条件の下で、後任者が就任するまで在任するものとする。
第48条 正式な権力の移譲は、退任する大統領と新たに選出された大統領の間で行われる。
就任に先立ち、共和国大統領は、高等憲法裁判所の厳粛な会議場において、政府、国民議会、元老院及び最高裁判所の出席の下に、国民の前で以下の宣誓を行う。:
「Eto anatrehan'Andriamanitra Andriananahary sy ny Firenena ary ny Vahoaka, mianiana aho fa hanantanteraka an - tsakany sy an - davany ary amim -pahamarinana ny andraikitra lehibe maha - Filohan'ny Firenena Malagasy ahy.
Mianiana aho fa hampiasa ny fahefana natolotra ahy ary hanokana ny heriko rehetra hiarovana sy hanamafisana ny firaisam- pirenena sy ny zon'olombelona.
Mianiana aho fa hanaja sy hitandrina toy ny anakandriamaso ny Lalàmpanorenana sy ny lalàm-panjakana, hikatsaka hatrany ny soa ho an'ny Vahoaka malagasy tsy ankanavaka.」
大統領の任期は、宣誓を行った日に開始する。
第49条 共和国大統領職は、公選の公職、その他の職業活動、政党、政治団体又は結社における活動及び宗教機関における責任の遂行と両立しない。
本条の規定に違反したことを高等憲法裁判所が認定した場合、共和国大統領の確定的な欠格事由となる。
第50条 共和国大統領の一時的な障害は、身体的又は精神的な能力喪失によって職務を執行できないことが正式に立証されたことを理由として、国民議会がその議員の3分の2以上の多数決によって付託する高等憲法裁判所が宣言する。
一時的な障害の場合、国家元首の職務は元老院議長が暫定的に執行する。
第51条 一時的な障害の解消は、国民議会の付託を受けて高等憲法裁判所が決定する。
一時的な障害は、3か月を超えることはできない。その経過後、議会の各議院において、その議員の3分の2以上の多数決によって議決して、議会が高等憲法裁判所に付託し、同裁判所は一時的な障害を確定的な障害に変更する決定を下すことができる。
第52条 共和国大統領職の空位は、辞任、あらゆる形態の権力の放棄、死亡、確定的な障害又は宣言された資格喪失により、高等憲法裁判所が認定する。
空位が認定された場合、国家元首の職務は元老院議長が執行する。
元老院議長の障害が高等憲法裁判所によって認定された場合、国家元首の職務は政府が合議制で執行する。
第53条 高等憲法裁判所が共和国大統領職の空位を認定した後に、憲法第46条及び第47条の規定に従い、30日以上60日以内の期間に新大統領を選出するものとする。
空位が認定されてから新大統領が就任するまで、又は一時的な障害が解消するまでの間は、憲法第60条、第100条、第103条、第162条及び第163条を適用することはできない。
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