第59条【メッセージ及び演説、議会とのやり取り】、第60条【緊急事態及び戒厳令】、第61条【宣戦布告】、第62条【国民議会の解散】、第63条【非常権限】、第64条【厳戒事態及び警戒事態】、第65条【閣僚評議会の招集及び主宰、副大統領の地位】、第66条【上級公務員の任命】、第67条【政府閣僚の副署】、第68条【大統領及び元大統領に付与される便益及び保障】
第3編【行政権】
第1章【大統領】
第59条 共和国大統領は、議会の各議院議長が読み上げるメッセージにより、各議院と連絡を取る。その要求により、両議院が開催する議会における会議で意見を述べる。
これらのやり取りは、いかなる審議の対象ともならない。
会期外の場合、その目的のために各議院の特別会が召集される。
その年の最初の会期中、大統領は議会における会議上で、国家の状況について演説するものとする。
第60条 共和国大統領は、状況に応じて、閣僚評議会並びに国民議会及び元老院の事務局と協議した上で、法律の定める条件の下で、特別な権限を付与する緊急事態又は戒厳令を政令によって宣言することができる。
緊急事態又は戒厳令の15日を超える延長は、議会の許可を要する。
両議院の間に意見の相違がある場合、国民議会が、その過半数によって決定するものとする。
第61条 共和国大統領による宣戦布告は、議会がその議員の3分の2以上の多数決によって許可するものとする。
第62条 共和国大統領は、議会の両議院議長及び憲法院と協議した上で、国民議会の解散を宣言することができる。
この特権の行使は、大統領の各任期1回に限られる。
議会発足から24か月間、又は高等法院における告発が係属中は、解散を宣言することはできない。
国民議会の再編は、解散後60日以内に実施するものとする。
第63条 共和国の機関、国家の独立若しくは高度の国益、領域の保全又は国際公約の履行が深刻かつ緊急の脅威にさらされ、憲法上の公権力の正常な運営が妨げられる場合、共和国大統領は、国民議会及び元老院の議長並びに憲法院と公式に協議した上で、その状況に対処するための措置を講じるものとする。
メッセージによって国民に通知する。
この措置は、憲法上の公権力がその任務を、可能な限り速やかに履行するための手段を保障するという目的に基づくものでなければならない。
非常権限の行使中、共和国のいかなる機関も、解散又は停止することはできない。
非常権限の行使から30日が経過した後に、国民議会又は元老院の議長は、憲法院に対して、第1項に規定する条件がなお満たされているか否かを審査するよう要求する。同院は、8日以内に判決を公表しなければならない。
憲法改正は、非常権限の行使中に開始又は完了することはできない。
議会は、当然開催される。
第64条 共和国大統領は、状況に応じて、閣僚評議会及び両議院議長と協議した上で、法律の定める条件の下で、政令によって厳戒事態又は警戒事態を宣言することができる。
厳戒事態の21日をを超える延長は、議会の許可を要する。
第65条 共和国大統領は閣僚評議会を招集及び主宰し、その議題を設定するものとする。
共和国副大統領は、職権上の評議員である。
第66条 共和国大統領は、閣僚評議会において、国の文官及び武官の上級職、特に大使、特使、上級将校、将官並びに中央行政機関の長官及び知事を任命する。
組織法により、共和国大統領が任命権を有する、第1項に規定する以外のポスト又は職務並びに両親の一方が出生によるガボン人であるガボン市民のみ採用されるポスト又は職務について定めるものとする。
第67条 第52条、第54条、第58条、第125条及び第165条の規定以外の共和国大統領の行為には、その執行に責任を負う政府閣僚が副署するものとする。
第68条 法律により、共和国大統領及び元大統領に付与される便益及び保障について定めるものとする。
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