R6年度第2回高認物理基礎大問1解説
大問1
問1【相対速度】
自動車Aが東向きに40km/hで進み、自動車Bが東向きに30km/hで進んでいる。自動車Aに対する自動車Bの相対速度の向きと大きさの組合せとして正しいものはどれか。
・向き:西向き、大きさ:10km/h
問2【自由落下】
図のように、Aさんが長さ50cmのものさしの上部を持ち、Bさんの親指と人差し指の間にものさしの下端がくるようにする。Aさんが予告なしで、初速度0でものさしをはなす。
それを見たBさんがものさしをつかむ。
この間にものさしが落下した距離を測定することで、AさんがものさしをはなしたのをBさんが見てから、つかむまでのBさんの反応時間を調べることができる。
Bさんがつかんだ位置が、下端から45cmだったとすると、Bさんの反応時間は何sか。
ただし、重力加速度の大きさを$10 \mathrm{m/s^2}$とする。・ものさしの落下速度$v = 10t$(m/s)ものさしが落下した距離$l = 10t \times t \div 2 = 5t^2$(m)
$5t^2 = 0.45$
$t^2 = \dfrac{0.45}{5} = \dfrac{45}{500} = \dfrac{9}{100}$
$t \geq 0$なので$t = \sqrt{\dfrac{9}{100}} = \dfrac{3}{10} = 0.3$(s)
問3【アルキメデスの原理、質量・体積・密度】
次の文中の空欄にあてはまる語句の組合せとして正しいものはどれか。図1のように、軽い棒の両端に質量の等しい二つの物体A、Bをつるす。
棒の中心に糸を付け、持ち上げたところ、棒は水平を保った。
次に、図2のように水を入れた水槽に物体A、Bを沈めると、Bは水槽の底についた。
これは、Aにはたらく浮力がBにはたらく浮力より【大きく】、同じ質量でも、Aの方が体積が【大きく】、密度が【小さい】ためである。
問4【ばねと弾性力】
次の文中の空欄にあてはまる語句と式の組合せとして正しいものはどれか。ばね定数$k$のばねが伸びた状態から自然の長さにもどるとき、弾性力は物体に仕事をする。
図のように、ばねが自然の長さから$a$だけ伸びた位置から自然の長さにもどるまでに、弾性力がする仕事は、縦軸を弾性力$F$、横軸をばねの伸び$x$として描いた【グラフの斜線部分の面積】と等しくなる。
したがって、$a$だけ伸びたばねにつけられた物体は、弾性力による位置エネルギーをたくわえていると考えることができる。
このときの弾性力による位置エネルギーは【$\dfrac{1}{2}ka^2$】と表される。
問5【斜面上の物体】
図のように、水平面とのなす角が$\theta$の摩擦のない斜面上を、質量$m$の小物体がすべり下りている。このときの小物体の斜面方向の運動方程式として正しいものはどれか。
ただし、斜面に沿って下向きを正とし、小物体の加速度を$a$、重力加速度の大きさを$g$とする。・$ma = mg\sin \theta$
問6【力学的エネルギー保存の法則】
長さ$L$の軽い糸に小球をつけた振り子がある。図のように、糸が鉛直と$\theta$をなす点Aから小球を初速度0ではなす。
小球が最下点Bを通過するときの速さはいくらか。
ただし、重力加速度の大きさを$g$とする。・$mg(L - L\cos \theta) = \dfrac{1}{2}mv^2$
$v^2 = 2gL(1 - \cos \theta)$
$v = \sqrt{2gL(1 - \cos \theta)}$
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