『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(1)【竹井カナ編】』第3章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(1)【竹井カナ編】』
第3章 事件の受託
私が持つ不思議な力のことを肯定した方がよいのか、否定した方がよいのか・・・その時点ではよく分からなかった。不思議な力以外のことは本当のことだったので、わざわざ取り立てて否定することはやめておくことにした。
「実は、陰陽師として依頼を受けるのは今回が初めてです。それを商売として行うつもりはありませんので。簡易的な悪霊祓いの儀式を行うことはできますから、カナさんの事務所兼YouTube撮影スタジオの見学がてら、やってみましょうか?」
「ぜひお願いします。その簡易的な儀式でよいので。報酬もきちんとお支払いいたします。」
「報酬は結構ですよ。カナさんやその芸能事務所の方々と知り合えるだけでも大きな収穫ですから。私にとっては。」
「ありがとうございます。それでは謝礼については、その儀式の後に改めてお話させてください。」
その後、カナさんの自宅兼個人事務所兼YouTube撮影スタジオを訪問・見学する日時を決めてから、私は帰途についた。
私は自分の自宅兼事務所の中で、ラジオのやしの実FMを聴きながら、ぼんやりと考えていた。
パーソナリティが話す、くだらないけれどクスっと笑える小話は、いつものように頭に入ってこない。
(何も居なかったら、形ばかりの儀式を行って、「皆さん、悪霊祓いの儀式は無事終わりました。今日から、そんなこと心配する必要はありません。どうかご安心ください」と、芝居気たっぷりに話せばよいだろう。
何も居なければ・・・何か居た場合はどうしようか?その場で退治できない代物が居た場合は・・・)
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