『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(1)【竹井カナ編】』第7章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(1)【竹井カナ編】』
第7章 妖の正体
「それで晴彦、アレの正体は何だったんだ?もったいつけずに早く話せよ。」「雪雄叔父さんは何だと思いますか?」
叔父さんは少し首をひねりながら言った。
「どうせ、死んだじいさんとかばあさんの霊か何かってオチだろうよ。」
「当たらずといえども遠からずですね。」
「じゃあ、死んだ親友とかじゃないか?」
「そういう人間なら、妖ではなく霊として出てくるでしょう。答えは、カナさんの実家で昔飼っていた黒猫だそうですよ。」
「何だよ、だそうですよって。お前にははっきり見えたんだろう?」
「黒猫が見えたって、カナさんが昔飼ってた猫だと伝わってくるとは限らないんです。」
「どんな話かと思えば、お前、安倍晴明から受け継いだ力を、化け猫退治に使ったのか。」
「いえ、ですから化け猫ではないし、退治もしていません。何度も同じ説明をさせないでください。」
「猫がねぇ・・・俺にはよく分からん。」
「昔飼っていた猫の霊が、何かの拍子に妖に変化したんじゃないですかね。」
「何かの拍子って、お前・・・それでも、大陰陽師にして大学者であらせられた、あの安倍晴明大明神様の末裔か?もう少し理知的、理論的な説明をだなぁ・・・」
「できる訳ないでしょう。科学で解明できないから、私のような者のところに依頼が来たんですよ。」
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