『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(1)【竹井カナ編】』第5章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(1)【竹井カナ編】』
第5章 真相を語り出す依頼人
儀式が終わり、山本君やスタッフの皆が帰った後に、カナさんがコーヒーを淹れてくれた。カナさんは熱いコーヒーをすすりながら言った。
「安倍先生のお力を直に拝見したことはありませんので、よく分かりませんが、先生のお力でアレをどうにかすることは可能でしょうか?」
私は驚いて言った。
「見えるのですか?」
「はい、見えます。でも、そんなにはっきりと見えるわけではありません。調子がよい?ときにだけ、ぼんやり何かが見えるような気がする程度です。もちろん、見えるだけで、私にはどうすることもできません。」
「いつからですか?」
「中学生の頃でした。何がきっかけかは覚えていません。多分、きっかけ自体は些細なことだったと思います。見えるだけで、どうすることもできません。繰り返しになりますが、私の力は先生ほどではないのでしょう。そんなにはっきりと見えるわけではないんです。先生の目には、どう見えているのでしょうか?」
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