『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(2)【梅田桃子編】』第4章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(2)【梅田桃子編】』
第4章 A級妖怪
モモちゃんは、どす黒い悪意に満ち溢れた妖(あやかし)につけ狙われているようだった。「いつからですか?」
「ずっと前からです。B級以下のものは私が自分で祓いました。しかし、最後にアレが残ってしまいました。どうやら、私の力ではアレを祓うことができないようです。」
「?!自分で祓ったって・・・」
私は釈然としなかった。
名古屋でアイドル活動をしていただけの、こんな若い女性がなぜ、複数の妖につけ狙われているのか。
しかも、B級以下は自分で祓い、最後に残っているのはA級だと言うのである。
「晴彦ならアレを祓えるかもしれないと思い、その機会を伺っていました。そして、今夜とうとう、あなたにアレを紹介することができました。」
「承知いたしました。でも、本当に祓ってしまってもよろしいのでしょうか?なんて聞くまでもなさそうな輩のようですね。」
その妖は私を見くびっているようで、潜んでいた街路樹の上から降りると、そのまま真っ直ぐ私たちに襲いかかってきた。
私は妖だけを焼き祓う炎の呪法で、これを一瞬で焼き祓った。
「すごい!初めて見ました。古文書で読んだことはありますが・・・本当に妖だけを焼き祓ってしまうんですね。」
「そうですね。基本的に、妖も術師の呪法も、物理的なものではありませんからね。もちろん、例外はいろいろありますが・・・あぁ、釈迦に説法かもしれませんね。」
「いえ・・・私よりもあなたの方が術師としては上のようです。私の曽祖父には及ばないとは思いますが。」
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