ベルの不等式は何がすごいのか。
1 ベルの不等式
ベルの不等式に依拠する実験により、局所実在論では説明できない領域があることが実証されたからである。現状、局所実在論の古典理論を含め、量子論であらゆる領域を説明できるらしい。
よって、あらゆる領域が量子論に包含されるという包含関係で理解されているようである。
2 局所性と実在性
局所実在論が成り立たないということは、局所性か実在性が否定されたということである。よって、局所性の否定と捉えれば、非局所的な理論を構築できるという考え方もある(ボーム解釈)。
しかし、実在性の否定と捉えることもできる(主流派?)ので、多くの人に衝撃を与えることとなった。
実在性の否定ではなく、情報の有無の問題であると換言する人もいる。
いずれにせよ、解釈の問題に過ぎない。
3 新しい「ベルの不等式」
今後、ベルの不等式のような画期的な理論が考案され、それを実証するための実験方法が考案される日が来ないとも限らない。次の画期的な理論では何が否定され、どのようなパラダイムシフトが起こるのだろうか。
そのようなパラダイムシフトが起きない限り、今後しばらく、量子論や情報理論が幅を利かせる時代が続くのだろう。
4 参考
・ベルの不等式、CHSH不等式、スピノル(イメージ重視)(EMANの物理学)・ベルの不等式の意味(量子論の不思議な世界)
・ベルの不等式とその破れ(Qiita)
・ベルの不等式と全確率の定理と分配律(note)
・ベルの不等式の直観的理解—隠れた変数のモデルを大真面目に考えるー(note)