『平凡なおっさんだけど霊界探偵に採用されました【第1章】』第2節
『氷河期世代のおっさんだけど、豊川稲荷で道に迷ったら霊界探偵に採用された件』
第1章 霊界探偵
第2節 霊界探偵
看板を見上げていると、建物の扉が開いて、中から人が出てきた。「おぉ、よく来てくれました。お待ちしておりましたぞ。さぁ、どうぞ、中へお入りください。」
「えっ・・・?ここはどこですか?あなたは・・・?」
「おや?面談予定の方だと思ったら・・・おかしいな。ここは霊界探偵事務所ですよ。あなたは面談予定の方でしょう?」
「いえ、人違いです。私は豊川稲荷できつね塚に行こうとして、道に迷っただけなんです。」
「あぁ・・・あなたがここにたどり着いたということは、あなたは面談予定の方なんですよ。さぁ、どうぞ、中へお入りください。」
「はぁ・・・ではまぁ、とりあえず、おじゃまします。」
「それでは、この書類にサインしてください。」
「えっ?この書類は何なんですか?」
「あなたを当事務所の霊界探偵として採用します。あなたは今日から霊界探偵ですよ。」
「はぁ・・・霊界?探偵事務所??でも、私、探偵事務所のようなところで働いた経験、全くないんですけど。」
「大丈夫ですよ。ここにたどり着いたということは、その素養があるということです。報酬もちゃんと支払いますし、しばらくパートタイムとして、今のお仕事とのダブルワークでもOKですよ。」
「はぁ、それでは、とりあえず、ここにサインすればいいんですか?」
「はい。今から私のことは、ボスと呼んでください。」
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