『平凡なおっさんだけど霊界探偵に採用されました【第2章】』第1節
『氷河期世代のおっさんだけど、豊川稲荷で道に迷ったら霊界探偵に採用された件』
第2章 鳳来寺山
第1節 利修仙人
最初の肩慣らしの事件から数週間後、ボスから次の仕事について説明があった。「最近、鳳来寺山で利修仙人の偽者が出没しているらしい。今回の仕事は、この偽仙人の調査・退治です。」
「利修仙人って、鳳来寺山開祖の、あの利修仙人ですか?」
「そうです。その利修仙人の偽者退治です。おそらく、どこぞの妖魔が仙人に姿を変え、地元住民を惑わしているのでしょう。本物の利修仙人だと信じて、毎日お供え物をして拝む人までいるそうです。」
「妖魔の調査・退治ですか・・・前回の肩慣らしの事件と比べると、いきなり難易度が跳ね上がりましたね。私一人で妖魔の退治なんて、絶対無理ですよ。私はボスのお供をして、ボスのお仕事をお手伝いすればよいのでしょうか?」
「いや、実は、私はこれから霊界警察のイベントに、来賓として出席せねばならん。霊界警察からのご招待、断るわけにはいかんのだ。」
「えっ?霊界にも警察があるんですか?」
「当たり前です。霊界警察あっての霊界探偵です。」
「それじゃあ、今回の調査は・・・」
「心配することはありません。今回の調査は、名古屋の霊界探偵と合同で行ってもらいます。あなたの先輩が名古屋から来てくれるので、その先輩のお供をして、その仕事を手伝えばよいのです。」
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