『異世界転生者はブラックサンダー使い【第2章】』第3節
『氷河期世代のおっさんだけど、異世界転生したらブラックサンダーの能力を付与された件』
第2章 帝都での一夜
第3節 帝国領の偵察
さて、私は数か月間、剣術の修行をした後、帝国領を旅してみたくなった。反乱軍のアジトの皆には、帝国領の偵察に行きたいとか、適当な口実を使って旅支度を整えた。
メグミさんは、私が旅立つことをひどく残念がった。
「まことさんほどの魔法使いが一緒に戦ってくれれば、きっと、あっと言う間に共和国の首都を奪還できると思えるのですが・・・残念です。偵察なんて、他の者に任せておけばよいではないですか。」
「いえ、メグミさん。どれだけ強力な魔法が使えたとしても、敵を・・・相手のことをよく知らなくては、足元をすくわれます。実戦では一瞬の油断が命取りです。そうして死んでしまったら、首都の奪還どころではなくなってしまいます。」
「そうですか・・・まことさんがそう言うなら、仕方ないですね。無事ご帰還するのを、お待ちしております。」
・『異世界転生者はブラックサンダー使い』第2章の目次に戻る。