『平凡なおっさんだけど霊界探偵に採用されました【第3章】』第4節
『氷河期世代のおっさんだけど、豊川稲荷で道に迷ったら霊界探偵に採用された件』
第3章 黄金のきつね像
第4節 深夜の死闘
「来たぞ!気を付けろ!!」ボスがそう言った瞬間、暗闇から3人の女盗賊が現れた。
3人とも、それぞれ紫色、青色、オレンジ色のレオタードを着ていて、とてもグラマーな女性たちだ。
3姉妹で、上からミキ(紫色)、マキ(青色)、アヤ(オレンジ色)という名前だ。
ミキはボスに、マキは大谷さんに、アヤは私に襲いかかってきた。
私は間合いを十分に取り、アヤに向けて霊丸を発射した。
私の万能錫杖は、霊丸を発射することもできるのだ。
アヤは私が発射した霊丸を軽々とよけると、私に向かって霊丸を発射した。
「しまった!向こうも霊丸を撃つことができるのか?!」
「私は万能錫杖でバリアを張り、アヤの撃った霊丸を跳ね返した。」
アヤは私の霊丸を軽々とよけ、私の方は一々バリアで跳ね返さなければならないので、私が1発撃つごとに、向こうは2発、3発撃ってくる。
「どうしよう、完全に向こうのペースだ。何とかしないと・・・」
私は、威力はあるが速度の遅い霊丸を、かなり斜め上の方に向けて発射した。
その霊丸は天井をすり抜けて、見えなくなってしまった。
その様子を確認してから、アヤはこちらに霊丸を連射してきた。
私がそれらをバリアで跳ね返している間に、先ほど放った霊丸が上空で放物線を描き、アヤの頭上に落下した。
アヤは霊丸の衝撃を受けて、その場に倒れ込んだ。
「やった!うまくいったぞ!」
私は、倒れたアヤに向かって走っていった。
ところが、私がたどり着く前にアヤは起き上がり、煙幕を張って逃げてしまった。
「しまった・・・くそっ!本当に忍者みたいだな。」
煙幕の煙が消えた時には、アヤの姿は完全に消えていた。
・『平凡なおっさんだけど霊界探偵に採用されました』第3章の目次に戻る。