『永遠の旅人・神無月京介(1)【米俵リョウコ編】』第1章
国民的な熟女優・米俵リョウコが夢うつつの状態で、異世界の旅人・神無月京介と出会うの巻
第1章 夢うつつ
リョウコは自宅マンションの寝室で苦しんでいた。寝室ベッドの上で横になり、脂汗をかきながら腹痛に耐えていた。
意識はかろうじて保っていたが、もうろうとしていた。
彼女は昨日、夜遅くまでマンガ喫茶で過ごした。
その帰り道、近所にある公園のベンチに捨ててあった、半分食べ残されたコンビニ弁当を拾って帰り、帰宅後、それを肴にストロング缶チューハイで晩酌をした。
そのままいつの間にか眠ってしまったのだが、深夜の2時頃、お腹が痛くなって目が覚めたのだ。
お腹が痛くて痛くて仕方がないので、薬箱から正露丸やらバファリンやら大量に取り出して、残っていたストロング缶チューハイで飲み下した。
そしてそのままベッドに倒れ込んだ。
一度に大量の薬を飲んだせいか、意識がさらにもうろうとしてきた。
このままでは意識を失ってしまう。
「私は・・・このまま死んでしまう・・・のかな?」
米俵リョウコは有名な女優である。
楽天モバイルのコマーシャルで一世を風靡した人気タレントである。
ただ人気があるだけではない。
数々のドラマや映画で主演を務めた、まさに国民的な女優である。
いつしか彼女は意識を失っていた。
そして彼女は夢を見ていた。
これから起きる出来事は、彼女の夢なのだろうか。
あるいは、それまでの彼女の人生が夢であり、これから始まる物語が現実なのかもしれない。
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