『永遠の旅人・神無月京介(2)【大島ルリコ編】』第4章
大人気アイドルだった大島ルリコが霧深い山中で、異世界の旅人・神無月京介に救出されるの巻
第4章 魔熊の逆襲
「きゃあーーーーーー!!」しばらくすると、向こうから女性の悲鳴が聞こえた。
「しまった!」
どうやらルリコさんは、夢幻郷から抜け出すことができないようで、山中をさまよっているらしかった。
そして、山中をさまよっているうちに、先ほどの大熊の一頭と鉢合わせてしまったのだろう。
京介はルリコの気配をたよりに、瞬間移動した。
ルリコの前に熊がいて、今にも襲いかかろうとしていた。
京介はルリコを大木の枝の上に瞬間移動させた上で、その熊めがけて、まばゆい閃光と大きな音をとどろかせて霊丸を発射した。
ところがその熊は霊丸を跳ね返してしまった。
「さっきの大熊どもとは別の熊か。」
この熊はただの大熊ではないようだ。
夢幻郷の山奥で何百年も生きているうちに、少しずつ魔力を体内に取り込んできたのだろう。
魔熊は恐ろしい咆哮を上げると、ルリコのいる大木に突進した。
どうやらルリコを大木から落として、その肉を食らう目算らしい。
京介は、自分を無視した挙句に、女の肉を食らおうとする魔熊の不遜な態度に激怒した。
「調子に乗るなぁ!このド畜生がぁあ!!」
その瞬間、魔熊の胸元辺りで爆弾が爆発したような、すさまじい大爆発が起こった。
これには魔熊もひとたまりもなく、魔熊の体は木っ端微塵に吹き飛んで霧散した。
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