『永遠の旅人・神無月京介(1)【米俵リョウコ編】』第2章
国民的な熟女優・米俵リョウコが夢うつつの状態で、異世界の旅人・神無月京介と出会うの巻
第2章 夢幻郷
リョウコは川沿いの道を歩いていた。なんだか懐かしい感じがする風景だと思った。
川の水位は低く、いつもより水量が少ない感じがした。
道の向こうに人影が見える。
こちらに向かって歩いてくるようだった。
リョウコはそのまま歩き続けた。
その人の顔が分かるところまで近づくと、彼はリョウコに声をかけた。
「あぁ、どうも。リョウコさんじゃないですか、テレビで見たことありますよ。こんなところで出会うとは、奇遇ですねぇ。」
「えっ!あぁ、どうも、ありがとうございます。えーと、そのー・・・あのー、私、米俵リョウコです・・・そのー・・・」
「あぁ、私は神無月京介と申します。ただの一般人で、ただの旅人です。ここは、普通の人がなかなか来れるところではありませんよ。」
「そうなんですか・・・実は、私、ここがどこなのかも分からなくて。ここはどこですか?」
「ここは夢現境、夢の世界と現実の世界の境界にあります。私はここを夢幻郷と呼んでおりますが。」
「夢幻郷・・・ですか。素敵な名前のところなんですね。ということは、ここは夢の中なんですか。」
「はい、まぁ、そんなところです。普通の人が眠っているときによく見る、普通の夢とは少し違いますが。普通の人は、なかなかここまで来れないんですよ。この川の向こうに、いわゆるあの世があるんですよ。」
「えっ、じゃあ、この川が・・・いわゆる三途の川ですか。夢の世界というよりも、生死の境にいる・・・?!」
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