『妖怪保護活動家・氷室忍(5)【妖怪・ラーメン次郎】』第2章
妖怪保護活動家・氷室忍が、友人から妖怪・ラーメン次郎を追い出したついでに仮説を披露するの巻
第2章 人間の幸福
ハルカは驚いて言った。「えっ、なんですか、あれは・・・もしかして妖怪ですか?」
氷室は微笑んで答えた。
「はい、あれは妖怪・ラーメン次郎です。二郎系のラーメンを食べすぎて、健康を害して、もう二郎系のラーメン食べることができなくなった者たちの未練が凝縮して誕生した妖怪です。」
ハルカが小さな声で言った。
「実は、最近、二郎系のラーメンが無性に食べたくて、しようがなかったんです。まさか、あんな妖怪が取り憑いていたなんて・・・氷室さん、あの妖怪を捕獲しに来たんですか?」
「いえ、今日、ハルカさんに出会ったのは本当に偶然です。あの種の妖怪は、放っておけばいいんですよ。」
ハルカは驚いて聞き返した。
「えっ、いいんですか?捕まえなくって。」
氷室は笑って答えた。
「ハハハッ。いいんですよ。好きなものを食べるのも、人間の大切な幸福でしょう。」
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